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発達臨床的子ども理解

目次

『発達臨床的子ども理解』

10月1日、7年前の今日、宇佐川浩先生が天国へ昇られました。

いま、私たちが発達につまずきのある子を、肯定的に捉え、支援しやすくなっているのも、

宇佐川浩先生が残してくれた、

「感覚と運動の高次化理論」

があるからです。

「発達臨床的子ども理解」

高次化理論の中で、

「発達臨床的視点に基づく支援」

という言葉が綴られています。

宇佐川先生は、「子どもの行動を肯定的に捉える視点」=「発達臨床的視点」を大切にされていました。

発達につまずきのあるお子さんの現象面だけを見ると、

「物を投げる」「友達を叩く」「こだわり」など、どちらかといえば価値を認め辛いことや、否定的な評価を与えがちなことが多くなります。

しかし、価値がないと思われる些細な動きを、よく観察していくと小さなサインになっていることが多々あります。

宇佐川先生は、
「やみくもに物を投げる子は、本当は見込みのある子なんだよ」

ものをつかむ始点は知っていても、ものを置く終点を学習していないだけだから。

と語られていたのを覚えています。

「追悼本・発達支援実践塾」

写真にあげた、
「発達支援実践塾」の表紙をご覧ください。

あわせて読みたい

日直の日付が10月1日(土)になっているのが分かるかと思います。

そうです、宇佐川先生への追悼の思いを込めての出版だからです。

そして、黒板には
「発達臨床的視点」
・発達的意味
・発達の水準
・個人内差と全体性

と書かれています。

発達の意味性をつなぎ合わせることで、子どもたちが示す、

「なぜ?」が「なるほど」

となるからです。

そして、発達の水準を読み取ることで、その子の今の育ちに適した支援が行えます。

さらに、個人内差を理解してあげることで、苦手なことを伸ばすというよりも、

得意な部分を生かし、生活を豊かにしながら苦手な部分も育てることができるよ^_^

という、実践家の軸となる考えからです。
そして、右の黒板には、

「自分の実践を、自分の言葉で語る」

という標語が掲げられています。

自分の実践が明確に語れない時、それは実態に基づいた支援から外れている可能性が高くなります。

誰かの言葉を借りて語るのではなく、

子どもたちへの思いを、根拠に基づく支援の下に語ることを、

これからも発信し続ける実践家の集う研究会でありたいと思います。

高次化理論を伝え、一人でも多くの実践家が学び、支援に生かしていくことが、

宇佐川先生への感謝だと思っています。

一緒に学び、実践していきましょう。

10月1日、つくばの空を見上げて
(つくば国際会議場にて)

代表 植竹

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