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先輩ママ・支援者コラム
『書字がなかなかできない子の支援』
目次
視覚支援、その前に
最近、ビジョントレーニングという言葉をよく耳にします。見ること、書くことが苦手だとすぐにビジョントレーニングが必要と思われがちですが、ビジョントレーニングがヒットするお子さんと、ビジョントレーニングと合わせて取り組むべきお子さんがいることを知ってほしいと思います。
ひらがな書字が苦手な子の例
例えば、ひらがななどの書字がなかなかうまくできないお子さんがいたとします。
ありがちなのは、ひたすら大量に書く練習です。
努力が足りないのだからという考えからでしょうが、これはただただ子どもたちに、苦手意識や勉強嫌いを植え付けるだけになります。
時間をかければ書けているのだから、もっと努力をさせればよいという発想は、なぜ時間がかかるのか?という本質を見失った発想ともいえます。
なぜなら、書字をするための発達に困難さを抱えている状態だからです。
うまく書けないのには何らかの原因があり、その原因にアプローチせずに、根性論だけを持ち込むことは誰のためにもなりません。
書字の前に確認すべきこと
まず確認していただきたいのは、背中にその子が読める文字や数字を指で書いてみてください。
背中に書いた文字が当てられるなら、ビジョントレーニングや見え方を考慮したメガネを作成することで、文字が書きやすくなることが見込めます。
しかしながら、背中の文字が当てられないとなると、まだまだ頭の中に文字のイメージが思い浮かんでいないという段階です。
書字ができるというのは、頭の中に浮かぶ文字のイメージを再構成することです。
そもそものイメージが浮かばない段階では書字は難しいといえます。
これは何となく書けているけれど、細かいところが違っている段階のお子さんともいえます。
この頭にイメージが浮かびにくいお子さんの多くに「触覚防衛反応」皮膚感覚のトラブルがあります(認知的な遅れが無い場合。認知の遅れがある場合は認知と防衛反応、両方の理由からさらにイメージしにくくなります)。
イメージするという力の土台に触覚が大きく関与しています。
防衛反応があると文字が書けないと簡単に=(イコール)でつながるものではありませんが、それだけ見る機能を支える力が多岐に渡るといえます。
読み書きに苦手さがあった場合に、ビジョントレーニングをすればよいのか?
それ以外の原因があるとしたら、どんな視点が必要なのかぜひ、宇佐川研や実践研、発達支援ドットコムで学んでください。
見え方の知識として「中心視」と「周辺視」の確認。
眼球運動の確認くらいまでは、学校現場でもすぐに確認できることなので、知識としてももちあわせておきたいものです。
さらに、眼位や融像などの確認は専門の眼科等でないとわからないことが多いので、専門家の力をお借りする部分となります。
視覚からの情報が8割を占めると言われるだけに、見え方を理解していくことは支援の要といっても過言ではありません。
ぜひ、少しずつでも知識と技術を蓄えていってくださいね。
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