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叱ると怒るの違いとは?子どもにどうやって使い分けると良いのか

「子どもにどう接するべきか」子育てにおいて、誰もが一度は悩むテーマです。
中でも、「叱る」と「怒る」の違いについて、はっきりと意識したことはあるでしょうか?

毎日の忙しさの中で、つい感情的に怒ってしまい、後から後悔したという経験を持つ保護者も多いはずです。しかし、子どもの健やかな成長のためには、「叱る」と「怒る」を正しく区別し、目的に応じて適切に使い分けることが大切です。

本記事では、叱ると怒るの違い、子どもへの効果的な伝え方、信頼関係を築くためのコミュニケーション術など、子育てに役立つ視点を詳しく解説します。
感情に任せるのではなく、愛情を持って伝える。
そのために必要な知識とヒントを、ぜひこの機会に見直してみましょう。


目次

叱ると怒るの基本的な意味について

「叱る」と「怒る」は、似ているようで意味が異なります。

叱るとは、子どもの行動や態度を正すために冷静に伝える行為であり、教育的な意図を持って行動を正そうとするものです。

一方で怒るとは、自分の感情が高ぶった結果として、子どもに対して強く当たることを意味します。

叱るには相手への思いやりが前提としてありますが、怒る場合は一時的な感情の爆発として現れることが多く、子どもの行動の改善という目的よりも、親自身の気持ちの発散に寄ってしまう傾向があります。

目的が「しつけ」か「感情の発散」かという点に大きな違いがあるのです。


「叱る」と「怒る」の行動の違い

叱るときは、子どもの目を見て、なぜその行動が良くないのかを説明します。
声のトーンは落ち着いており、子どもに理解を促す姿勢が特徴です。

たとえば、
「おもちゃを投げると危ないからやめようね」
といったように、理由とともに伝えることで、子どもも納得しやすくなります。

対して怒る場合は、突然大きな声を出したり、
「何してるの!」「いい加減にして!」
といった感情的な言葉を使ったりすることが多く、子どもに恐怖や混乱を与えてしまう可能性があります。

また、怒る側の態度も攻撃的になりやすく、子どもとの信頼関係が損なわれるリスクもあります。


効果的な叱り方と怒り方とは

叱る際は、具体的な行動に焦点を当てることが大切です。
「あなたはダメ」ではなく、「その行動はよくない」と伝えることで、人格否定にならずに済みます。

例えば、
「片付けをしないのはよくないよ。次からは一緒にやろうね」
というように、改善の道筋を示すことで、子どもに安心感を与えながら指導することができます。

また、怒ることが完全に悪いわけではありません。
短時間で的確に感情を示すことで、子どもに強い印象を残すケースもあります。

たとえば、危険な行動(道路に急に飛び出すなど)に対して一瞬強い口調で止めることで、命を守るという意味では効果的です。

ただし、怒る頻度が多くなると、子どもが「また怒られる」と萎縮し、本来の意図が伝わらなくなるため、バランスとタイミングには十分注意が必要です。


子育てにおける叱り方の重要性について

子どもとのコミュニケーションにおける注意点

叱る・怒る以前に、日常的なコミュニケーションの積み重ねが大切です。

子どもは、大人の言葉だけでなく表情や態度からも多くを感じ取っています。普段から「聞く姿勢」や「共感の言葉かけ」を意識することで、子どもは安心し、自分の思いを素直に表現できるようになります。

信頼関係があれば、叱られた子どもも「自分のために言ってくれている」と理解しやすくなり、親の言葉に耳を傾けるようになるのです。

また、子どもが話しかけてきたときには、できるだけ手を止めて目を見て応じるなど、小さな行動の積み重ねが信頼の土台をつくります。


感情の表現と管理について

親も人間ですから、怒りの感情が出るのは当然です。
理想的な対応ばかりできるわけではありません。

しかし、感情に任せて怒るのではなく、怒りをコントロールし、伝えるべきメッセージを正確に届けるように意識することが求められます。

深呼吸をする、少し時間をおく、別室で冷静になる時間を設けるといった工夫が有効です。

また、自分の怒りのパターンを把握しておくと、「今は言わない方がよい」と自制しやすくなります。

怒りを感じたときに一呼吸おく習慣をつけることで、感情の爆発を未然に防ぐことができ、子どもに不必要なストレスを与えずに済みます。


叱ることが子どもの成長に与える影響とは

正しく叱ることで、子どもは「何が良くて、何がいけないか」を学びます。

それは単なる善悪の判断だけではなく、社会で生きていくために必要なルールや、他人への配慮、自制心なども含まれます。

叱られる経験を通じて、子どもは自分の行動を内省する力を養い、社会性や自己抑制力の土台が形成されるのです。

反対に、感情的に怒られ続けると、自己肯定感が下がる、他人との関係で萎縮するなどの弊害が生まれることもあります。

さらに、怒りが習慣化すると、子どもが「どうせ自分はダメなんだ」と思い込んでしまう可能性もあり、挑戦する意欲そのものを失ってしまう恐れもあります。

だからこそ、叱る際には「愛情を持って伝えている」というメッセージがしっかり届くよう、言葉や態度を選ぶことが重要です。


我が子に対して効果的な叱り方とは

「ダメ」と「否定」の違いについて

「ダメ!」と叱るとき、子どもにはその理由が伝わっていないことが多いです。

ただ「ダメ」と言われると、子どもは混乱したり、自分自身が否定されたように感じてしまう可能性があります。

そのため、「どうしてダメなのか」を丁寧に説明することが重要です。

たとえば、
「○○すると危ないからやめようね」
「これはお店のものだから触っちゃいけないよ」
と、理由と背景を添えることで、子どもも納得しやすくなります。

また、「ダメ!」の連発は逆効果になりやすく、子どもが反発したり、言葉そのものに慣れてしまい効果が薄れることもあります。

そのため、代替案を示すことも有効です。
「それはやめて、こっちで遊ぼうね」
など、否定から導く代替行動の提案が、ポジティブな理解につながります。


叱る場面を見極める方法

すべての問題行動を叱る必要はありません。

子どもが好奇心から行った行動や、成長過程でよくある失敗に対してまで毎回叱ってしまうと、子どもは委縮し、自分から行動を起こす意欲を失ってしまうことがあります。

そのため、「今本当に伝えるべきか?」という判断は、親自身が冷静になることから始まります。

たとえば、

  • 命に関わる危険行為
  • 他人に迷惑をかける行為

はすぐに伝えるべきですが、
自宅での些細なミスや衝動的な言動については、まず観察し、後から丁寧に伝えるという方法もあります。

公共の場などで叱るときは、子どもを人前で傷つけないよう配慮し、
「今は帰ったら話そうね」
と一時的に場を収め、後でしっかり伝えることで、子どもの尊厳を守ることができます。


まとめ

叱ることと怒ることは似て非なるものです。

一見どちらも子どもに対して注意を促す行為のように見えますが、実際には目的や伝わり方に大きな違いがあります。

叱ることは、子どもの行動を正すことを目的とし、冷静な気持ちと愛情をもって行われるべきものです。

それに対して、怒ることは、親の感情が爆発した結果であり、子どもには「怖い」「嫌だ」という印象しか残らないことが多く、教育的な効果はあまり期待できません。

子どものためを思うならば、感情をコントロールしながら、冷静に叱ることが最も効果的です。

また、叱った後にはフォローの言葉やスキンシップを通して、「あなたのことが大切なんだよ」という気持ちをしっかり伝えることが、親子の信頼関係を深める鍵になります。

叱ることは決して恐れるべきものではなく、子どもの成長を支える大切なコミュニケーションの一つなのです。

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