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『「ことばをはぐくむ」こころの育ち』

『「ことばをはぐくむ」こころの育ち』

東京宇佐川研7月度のケーススタディを開催しました。

「ことばの育ち」がテーマに上がる内容でした。

個人情報に関わりますので細かなことは述べられませんが、ことばが出ないという時、多くはテクニックに走ってしまい、話させよう話させようとなりがちです。

研究会としては、ことばが出るまでの道のりを感覚統合的な視点と認知発達的視点ではお伝えはしました。でも一番大切なのは、そんなテクニック的なことではありません。

今回のケーススタディの発表者のかたは、お子さんがpecs等を用いながらも、伝えたいという気持ちを大切にされ、非言語でも伝えてくれたことへの喜びをお子さんと共有、共感されていました。

ことばをはぐくむ際に、一番大切なのは、お子さんが伝えたいなぁと思えるような心を育んでいくことだと思っています。中川信子先生のご著書の内容をいつも思い出しますが、子どもたちが伝えたいと思ってくれる存在に私たちがなっていなければならないなと思います。

大切なことをケースのお子さんが教えてくれた時間だったように思います。

そしてもう一つ、支援者の在り方という話題もありました。

保護者の方は、これでよいのだろうか?こんなことをしても意味があるのだろうか?という不安にかられることが多々あります。

専門職としてどのような関わり方、在り方が求められるのか、という話も研究会会長の木村順からありました。

支援者はお子さんにこれで良くなっていくであろとhow-toを行なっていくことが多いと思います。

その時に、行う「目的」となぜそれが効果を発揮するのかの説明が圧倒的に不足しており、「なぜ?」が伝わらないセラピーへの危険性について解説しました。

どんなに良い効果をもたらすものであっても、得体の知れないものは受け入れ難いものです。

そして何より、散々「様子を見ましょう」と至るところで言われ続けてきた保護者は、また今回も時間、労力、費用を棒に振るかもしれないという心理がはたらきます。

期待を抱くたびに、裏切られる日々を繰り返していると、保護者は心を保つことが難しくなり、期待をすることをやめてしまいます。

よりいっそう、新しい支援者を信じて、何かを取り組むことに二の足をふむことになります。

保護者の心情に気づかず、ただ正論をかざすことはただただ保護者を傷つけることにもなりかねないのです。

その場で変化を感じで頂けるようなセラピーであっなり、お子さんが楽しくて夢中になるようの姿を引き出し続けることで、信じていただけるようになるものです。

一人一人の保護者のパーソナリティを理解した上で、伝わる伝え方を支援者である私たちもしていく必要があります。

支援へのテクニックやhow-toは必要です。

でも、それだけになってしまうと、大きな過ちに向かうこともあります。

発達支援は外科手術ではありません。人が人を支援するいとなみです。

目に見えない心を育てることも背景にあります。目に見えないからこそ、いろんな事例をもとに、多面的に見つめ、想像力を働かせて関わる必要があります。

巷には、知識だけ、テクニックだけを聞ける場所は多くなったと思います。それはそれでありがたいことです。

宇佐川研としては、知識、技術は当たり前のこととして、支援の根幹にある心の育ちを大切にしていきたいと思います。

それが宇佐川浩先生が最後まで研究されていた「自己像」「情緒」の育ちにあたる部分だと考えているからです。

人だからこそできる支援をこれからも大切にしていきたいと思います。

今年は8月も臨時でケーススタディをすることになりました。

8月1日開催です。初めての方もたくさんご参加頂いております。

夏の夜に、私たち支援者のこころもはぐくんで参りましょう。

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