『知らないことは見えない、真の子どもの姿』~静岡 宇佐川研より~

『知らないことは見えない、真の子どもの姿』~静岡 宇佐川研より~

 

3月4日に、静岡県で初となる、宇佐川研を静岡県焼津市で開催してまいりました。

今回は、焼津市の先生より熱烈な開催のご依頼をいただき、打ち合わせや会場手配なども含め、3ヶ月かけて準備してきました。

 

初開催では、どの会場もどんな研究会なのだろう?と空気が硬くなりがちです。しかしながら、ケーススタディでは近くの方と

一緒に話し合ったりしますので、最初にハイタッチをして心の距離を近づけていただいています。

 

それは、今回のテーマでもある「触覚」のメカニズムをまさに肌で感じて理解していただくねらいもあるからです。

触覚のもつ深い力、それは触覚のもつ2つの機能と、触覚を根源に育つ「共感性」を、実感を伴った理解があってはじめて支援に生かせるからです。

 

「発達臨床的子ども理解」から読み解く

さて、宇佐川研の初回では、「感覚と運動の高次化理論」に基づく「子どもの読み取り方」についてお話しています。

 

その中で、知識や実感の伴う理解をしていないものは、いくら眼の前で起きている出来事でも、発達支援に必要な情報として

目に映らない、読み取れないということを体験していただき、言葉だけの理解ではなく、体感して理解できるようにお話しました。

(というつもりでお話していますので、参加者の方のコメントお願いします^^)

 

ケースから学ぶ「実践的理解」

後半のケーススタディは、知識を実践へ生かすための視点をいかに見抜くかの実践トレーニングです。

 

宇佐川研では、いきなりビデオは見ません。ビデオは断片的な部分の映像ですので、映像により読み間違えることもあるからです。

 

まず、ケース発表者に用意してもらっている、ケースプロフィールを読み込むことから始めます。

 

宇佐川研に通い続けている支援者にとっては、A4で4枚のシートを20分もあれば読み取れるようになってきますが、初回はそうはいきません。

 

どの言葉に情報の価値があり、どのように発達的に意味づけられるのかという視点がないと、全く価値ある情報として読み取れないからです。

 

今回も初回ということで、1ページ読むのに、30分近くかけて解説していきました。

 

「発達の意味性」をつなぐ視点

例えば、生育歴で、「定頚4ヶ月、寝返り4ヶ月」・・・という情報が記載されていたとします。

 

すでに、この10文字足らずの情報に支援すべき大きな意味が書かれているのですが、読み取れましたでしょうか?

 

この情報は母子手帳には必ず記載されるべき項目です。この数字から、「?」や「気になる」と思えるかどうかが実践家です。

 

定頚と寝返りが同時期や寝返りの方が早いという逆転している場合は、その寝返りは寝返りではなく、「反り返り」ではないかと予想できるからです。

 

反り返りが見られるということから、次に「低緊張」の可能性を考えます。低緊張と仮説を立てると、次におっぱいやミルクの飲みも弱く子育てが大変で、母子共に疲れ果てた子育てになっていたのではないか?

 

そこに父親やご両親の子育て支援が無かったとしたら、お母さんご自身も追い込まれた子育てになっているのではないか?

 

そして、お子さんの育ちの状態として、ボトムリフティングやエアプレーンといった運動発達も出現しにくかったり、四つ這いをあまりせずに、フラフラとしたつかまり立ちに早く移行している可能性もあります。

 

そうなると、独歩まで時間もかかりますし、独歩後も体幹の弱い姿勢づくりとなり、運動面や生活面、学習面へのつまずきの困難さが予想されます。

 

情報としては、10文字足らずの「定頚◯ヶ月、寝返り◯ヶ月」という情報に、このくらいまでの発達のつながりがあるからです。

 

このような、発達的意味を1つ1つの文章、単語に解説しながら初回のケーススタディでは行っていきます。私も普段は10分

ほどで読み込むシートを2時間近く喋りっぱなしで解説しますので、息が切れそうになるのですが、そのくらい、たった4枚のシートに発達的意味が書かれています。

 

このようなシートはどの支援施設にも実は保存されています。

 

しかしながら、読み取る視点をもっていないと、全く「情報の価値に気づけない」ので、読もうともしないのが現状ではないでしょうか?

 

「触覚防衛」の改善に欠かせない「覚醒レベル」

話がそれましたが、今回のケーススタディでは、支援のボトルネックとして、

 

「覚醒レベル」と「触覚防衛」がありました。

 

この点も、解説していくと、20分はしゃべらないといけないボリュームがありますので、ぜひ、宇佐川浩にご参加いただきたいと思いますが、

 

触覚につまずきがあると、それだけで、集中力、情緒の安定、共感性(視線が合わないなども含め)、感情のコントロールなど、多岐に渡って発達のつまずきが見られます。

 

また、この触覚防衛(聴覚防衛も同じ原理)の改善には覚醒レベルのコントロールが支援者には求められます。

 

※この点については、平衡感覚の知識も必要になってきますので、次回の静岡、宮城の宇佐川研で詳しくお話する予定です。

 

いかに、覚醒を適正レベルに高めつつ、識別系と言われる方の触覚を育てていくかをディスカッションしました。

 

「不安を減らし」「希望をもてる支援」を目指して

ケースとして出していただいたお子さんに関しましては、研究会として、支援者とご参加いただいた保護者に、

もう少し細かい支援方法をお伝えしているのと、その後の支援についても、随時メール等でフォローしていきます。

 

すでに、支援者と保護者より、いくつかヒットした支援となってきたようで、変化のご報告をいただいております。

 

 

今週は全国各地で卒業式が行われるかと思います。この1年間満足のいく支援が出来た方、

 

心残りがある場合もあるかもしれません。

 

私たち支援者は、一期一会の中で瞬間瞬間に全力をかけて関わっていきます。そして、発達につまずきのあるお子さんにとり、その支援が、その子の一生を支える学びになります。

 

しかも、1つの力を身につけるのに、何十時間、いや何年もかけてやっと1つの力を身につけることもあります。

 

そのような関わりの上で成り立つ、発達支援であるので、ぜひとも、その子にとって本当に必要な支援を適切に届けられるようにしたいと思っています。

 

卒業と同時に、また新たな出会いが待っています。

 

何度も書いていますが、適切な支援には、深い子ども理解が必要です。

 

 

深い子ども理解には、やはり「読み取る視点」が必要です。

 

読み取る視点を持つには、「発達の知識」がやはり欠かせません。

 

 

「あなたの子どもの未来は、あなたの手でしか拓くことはできません。」

 

 ぜひ、不安な出会いではなく、ケース資料を十分に読み込み、出会う時には、安心して通ってきてね^^と言えるような準備を私もしていきたいと思っています。

 

そのお手伝いを、直近では、3月31日(土)「徳島 宇佐川研」、翌日の4月1日(日)「兵庫 宇佐川研」でして参ります。

 

次年度の研究会の開催予定は、4月にお伝えして参ります。すでに、愛知と兵庫の6月開催、鹿児島の7月開催は決定しておりますが、その他の地域とも調整しています。開催をご希望される方は、ぜひ下記連絡先よりご連絡ください。

 

宇佐川研 代表

植竹

 

 

今回も、静岡 宇佐川研を切り盛りしてくださった、保育士でもある村松先生から、感想をいただいておりますのでご紹介いたします。

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先日は、お誕生日にも関わらず焼津市で研修を開催していただきありがとうございました。

 

私の担当は、小集団療育としての親子通園。

週1回の中でできる事は限られていますが、発達に凸凹のあるお子さんとの子育てを楽しんでもらいたい。そんな気持ちでいっぱいだった私。

 

 

自宅での様子や療育中の子どもさんの様子やお母さんの関わり方を観察する中で、様々な事に取り組んではきたものの、なかなかコレ!という糸口が見つからずにいました。

 

 

他機関、他職種の知り合い等に聞いても「今は保護者の思いを聞いてあげるしかないのかもしれない」と返答。

 

でも私は「何かしらの原因が何処かにある」という思いは拭い去れませんでした。

 

 

今回、宇佐川研で学び、やはり課題となっていることに「原因」があったことがわかりました。

 

原因(触覚)がわかってくれば、どうしていけばよいのか時間がかかっても一つずつ取り組める。それだけで私はとても嬉しかった。

 

この嬉しさの中で、自分の知識、技術力の無さや宇佐川研で大切にしている『実践』がどういうことなのかも感じる事ができました。

 

また、実際に子ども会えない場合でも、プロフィールシートに、これだけの情報を得るための視点があることに驚かされました。

 

ひとつひとつの言葉の中に子どもの姿が沢山隠れていること。この宝のような情報を今まで見落としていた事もわかりました。

 

今回教えていただいた全ての事をすぐにできるわけではありませんが、覚えた知識は五感をフルに使いながら(宇佐川研では、2+3の感覚ですよね^^)一つずつ実行していきたいと思いました。

 

そして、次の日からの療育で、学んだ視点で子どもを観てみると、やはり子どもの姿は今までとは違ってみえました。

 

同じ子どもだけれど、違う子どもにも見えました。

 

こんなことが直ぐに実感できたのも、実践を大事にされている宇佐川研で学んだからこそだと思いました。

 

研究会を開催していただいた事、ケースとして動画の提供をしていただけたご両親に感謝の気持ちでいっぱいです。研究会後のご両親がとっても良い表情でいてくれたことも嬉しく思いました。

 

支援者としてはまだまだ未熟ですが、保護者には、子育てが楽しく、子どもが可愛いと感じながら日々過ごしていただけるように、わたしも頑張ります。

 

最後に、研究会に一緒に参加していただいた方からメールをいただきました。

皆さん焼津で開催してもらえたこと、そして、今までにない学びが出来たことをとっても喜んでくださっていました。

また、次回の開催についても問い合わせがさっそくありました^^

 

☆☆「以下、メールの内容」☆☆

 

今日はありがとうございました

すご〜くいい研修でした‼(A先生)

 

本当にいい研修会でした(^^)

先生から言われたことを

やってみようと思います!

 

残念なのは、もっと早く

そしてどの学校にいても

同じように支援してもらえたらよいのにと思っちゃったこと。

高校生だから時間はかかると先生もおっしゃっていたけど知らなくて過ごすより知識があれば

違う日々が過ごせますね!

悩んだけど

参加してよかったです☺(親子でご参加くださったお母さんより)

 

☆☆☆

 

宇佐川研での学びをもっと深めて一歩ずつ進んでいきたいと思います。

 

村松

 

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3月25日(日)「実践研3月度 『対話を通して考える 発達につまずきのある子どもの輝かせ方』お申込みURL」
www.kokuchpro.com/event/2018jissen3/

3月31日(土)「★徳島 宇佐川研★お申込みURL]
www.kokuchpro.com/event/tokushima_usaken1/

 

4月 1日(日)「第3回 兵庫 宇佐川研 お申込みURL」
『固有覚と姿勢コントロールの理解と実技』
www.kokuchpro.com/event/hyougo_usaken3/

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管理者プロフィール

研究会の代表をしています、臨床発達心理士の植竹です。

宇佐川研(発達障害臨床研究会)は、平成2年より始まり、淑徳大学の故・宇佐川浩教授をスーパーバイザーとしてお招きして始まりました。「感覚と運動の高次化理論」を基に、臨床にこだわって行っている研究会です。

実践研(発達療育実践研究会)は、平成18年より始まり、療育塾ドリームタイムの木村順OTをスーパーバイザーとして始まりました。発達支援を行う際に必要な様々な発達理論を学び、実践を支える知識と技術を高める研究会です。

その、宇佐川研に14年、実践研に12年間学ぶ中で、第28期(平成29年度)より木村会長より代表を引き継ぎました。

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