新型コロナウィルスから考える今の歩み方

~明日が見えない今だからこそ、知っておいていただきたい考え方~

様々な状況でこの文章を読まれていることかと思います。

今回は保護者の方へ向けてのメッセージの面を厚くして送らせていただきます。

私の職場(東京)では毎日保護者や子どもたちへ電話をかけています。いつまで緊急事態宣言における外出できない時間が続くのか?という中で、電話だけではありますが、子どもたちとも話をすることで、今の辛い現状を一緒に乗り越えていけるようにメッセージを届けています。

障害のあるお子さんのママからは、たくさんの悩みをたくさん伺います。

ご主人が物流関係のため、絶対に仕事を休めないので、コロナウィルスの感染リスクを極力避けたいので、お子さんも外出は我慢させています。

医療従事者なので休みがほとんど取れず、また、お子さんを預かってくれる場所がないので、学校で過ごして欲しい。

そして、お子さんのストレスもたまり家庭の中で過ごすことの限界も感じること。

隣の部屋や上下階も常に家にいらっしゃいますので、お子さんが落ち着かなくなると、見えない所への心配りへのストレスも大きくたまっているなど様々です。

経済的にも厳しい現状を抱えている方が増えていることも重々承知した上で、メッセージをお届けさせていただきます。

<目次>

1 脳のしくみと報道

2 バランス思考

3 悩みを分けよう

4 フォーカス

5 適応行動

6 孤立を避けよう

1 脳の仕組みと報道

脳の仕組みとマスコミ報道について考えてみたいと思います。

脳は、日々起こる不安やストレスなどに敏感に反応するようにできています。それは、自分の命を守るためには、危険と思われることに反応しないといけないからです。

あまりマスコミを悪く言うつもりはないのですが、マスコミもスポンサーがあり、視聴率が必要となります。

そのため、テレビなどの報道も明るいニュースよりも命の危険を感じさせるようなニュースの方が見たくないと思っても、つい人は見てしまうのでコロナウイルスにおいても危険性を伝えるような報道が多くなる側面があります。

そのような経済の仕組みもあることをわきまえて、もし不安に感じやすいと思えば、テレビを見ることを必要最低限にすることをオススメします。

テレビに出てコメントしている方の中には、専門家ではない方が憶測で語っている部分もかなり多いように見受けられます。そのような方のコメントを見ると、聞いていて不安をあおるようなものが多い印象を受けます。

報道にとやかく言うのではなく、一方的に流れてくる情報の受け止め方を自分自身でコントロールする発想も必要です。

テレビを見るという選択肢もあれば、テレビを消すという選択肢もあることを思い出してみてください。

でも、情報は必要だからと思うようであれば、youbeを検索すると、ドクターが発信している情報も多々あります。

特に、現在の医療現場の最前線で活動されている方の情報の方が、具体的な内容が多いと思います。何に気を付けて、どのように行動するべきかを、一方的に届く情報よりも、自分で選んで得た情報の方が、自分の行動を落ち着いて、納得して作り出せますので、脳としても不安を減らして過ごせるようになるはずです。

2 バランス思考

 ものごとの受け止め方についてです。コロナウイルスだけではありませんが、生きていればいろいろなことが起こります。

そのできごと一つ一つの受け止め方の練習とでも思っていただけたらと思います。

今回のコロナウィルスですが、全てが悪い出来事だけでしょうか?別の捉え方はできないでしょうか?

もちろん、悪いことと良いことを天秤にかけると、きっと良くないことの方が圧倒的に多いため、コロナは悪いとなってしまいます。

それでも、良いことも探してみてください。

自分のことで言うと、ここ数年休みの日ですら、自分の子どもと過ごす時間がほとんどありませんでした。昨年のGWも四国、中国地域で研究会を連日開催していましたので。

今年もコロナウィルスの影響がなければ、全国で研究会を開催しに行っていたと思います。そのようなところで、6歳の息子と家庭で過ごす時間が取れたことは、息子も嬉しかったようです。

そして、恥ずかしながら、自分の子どもの学習状況も見られていませんでしたので、改めて小1の我が子の学習の様子を見てみると、鏡文字や計算の苦手さ、書字のつまずきなどたくさん確認できました。

起きている息子にほとんど会ってこなかったここ数年間でしたので、今、我が子の現状を知れたこと。そして、家庭そっちのけできましたが、ここ1か月は息子と向き合い、一緒に運動や学習に付き合える時間が取れたことは、自分にとってはプレゼントのような時間です。

コロナウィルスに関しては良くないことの方がきっと多いです。妻はお年寄り向けの医療従事者なので、休日もほとんどなく仕事をしており、妻のストレスの大きさや身体の疲労の大きさを感じます。

そばでその大変さを実感できることは、大変でもあり改めて感謝する機会をもらえたことだとプラスにも感じます。

身近にいる人を大切に思えることは、自分の在り方を見直す機会になります。そのように考える機会や時間をもたしてくれたことはプラスなことだと思うからです。

このように、全てはバランスで成り立っていますので、ぜひ、辛いことや嫌なことがあったときに、マイナスな面だけで終わらず、プラスなことは何があるのか?また、この出来事から学んだことは何があるのかということを考えてみてください。

私は聖人でも何でもありませんので、偉そうなことを語るつもりはありません。

ただ、人生は凸凹の道なので、凹んだ時に、その凹みの時間を個人的にいかに短くしていくかを考えるように、思考のトレーニングをしている最中です。

ポジティブシンキングという言葉もありますが、私のポリシーは「低空飛行」です。上がるから下がるとも考えているので、墜落しない程度の心持で、とにかくやり続けること、あきらめないで目の前の出来事に向かい合うことだけを心掛けています。

3 「悩みを分けよう」

コロナウイルスの影響から様々な悩みが生まれていると思います。たくさん湧き出てくる悩みですが、次の2つに分けてみてください。

 ➀「自分の力が及ぶ悩み」

 ②「自分の力が及ばない悩み」

どういう意味かをお伝えします。

②の「自分の力が及ばない悩み」というのは、例えば「緊急事態宣言はいつまで続くのか?」「学校はいつから再開されるのか?」「学校は9月スタートに変わるのか?」などです。

これは、皆さんが総理大臣や文科省の大臣であれば別ですが、私たちがいくら悩んでも決定権がありません。悩んでも自分で物事を決める立場にありませんので、そのようなことは決まったらそれに従おうくらいの気持ちでいましょう。

それよりも➀の「自分の力が及ぶ悩み」について向き合っていきましょう。

今であれば、コロナウィルスにかからないために、手洗いを良くしよう。手洗いを子どもたちも習慣になるようにするためには、楽しくできた方がよいな。それなら、手洗いがしたくなるような面白い手洗いの歌でも作ろうかな。

など、自分の力でどうにかできることについて、より楽しく、より効果が上がるようなことについて思考と行動を多くしていけるように心がけています。

あなたの今の悩みはなんですか?

その中で、自分の力で周りの人をハッピーにできることは何ですか?

明日をハッピーにできることにフォーカス(焦点)をあてていきましょう。

4 フォーカス(焦点づけ)

 過去の出来事や、未来の出来事を変えることはできません。

未来は変えられるよ!と思われるかもしれませんが、未来を変えるのではなく、「今」を変えていくことの積み重ねで未来が変わるのですよね。

過去の出来事であれば、出来事自体は変えられないけれど、捉え方は変えられます。このことについては一つ前の「バランス思考」で伝えたことになりますので、過去については捉え方を変えること、リフレーミングからバランスをとっていってください。

そして、「今」について、何に自分の焦点をあてて行動すべきかを整理してみてください。

小学校の理科で虫眼鏡を使って、黒い点に光を集めて燃やす実験をしたことがあるかと思います。

一か所に焦点を合わせるからこそ、熱量が上がりものごとも改善していくのだと思います。

ぜひ、今いろいろな不安や悩みが多い時だからこそ、「今」何に自分は焦点を合わせ熱量を集めて行動すべきなのかを考え、行動に移してみてください。

5 適応行動

研究会でもよくお伝えする内容です。

「その時、その場、その状況」に応じた行動をとることが難しいのが発達につまずきのあるお子さんの状態像ですと伝えています。

また、人類の進化の過程を見てみると、強者が生き残っているわけではないことは皆さんもご存知の通りです。

強者が生き残るのであれば、今でも恐竜が生き残っているはずですもの。

強者ではなく、その時の状況や環境にいち早く適応していけた動物が生き残ってきたことを考えると、私たちも今の現状に適応する発想と行動が必要だと思っています。

しかしながら、脳みそは変化を嫌います。

自分の快適な状況を維持したいと思うのです。この快適さが脅かされるとストレスを感じるからです。

そういう、仕組みなのよね、私たちの脳みそって、ということを一度わきまえて、でも今の状況を乗り越えるためには、ちょっと大変だけど、新しいことにも挑戦してみることが「適応行動」です。

ここを頑張れれば、きっと、変化の苦手がお子さんの心も理解できる支援者になれると思いますし、そして、新しい価値を生み出せる人になれると思います。

ちょっと、しんどいですが、一人で頑張らずに仲間を巻き込みながら、今のコロナウイルスが巻き起こしている現状に適応して乗り越えていきましょう。

6 孤立を避けよう

 そう、未知の世界へ適応行動をしてくには、一人ではやはり辛いものです。

すぐに元の自分に戻ってしまう脳みそをもっているからこそ、新しい環境に自分がストレスを感じなくなるまでは、やはり仲間の支えが必要です。

そしてその仲間も、同じ方向を向いている必要があります。なぜなら、そんな大変なことは辞めようよ。誰かが何とかしてくれるからさ。と周囲でつぶやかれたらきっとすぐにめげてしまいます。

学校もいつから再開するのか分かりません。発達支援をしている病院もコロナウィルスからしばらく再開しないところも出てきています。

セラピストの方のような専門性には及ばなくても、家庭でできることはものすごくたくさんあります。

例えば、うちの小1の鏡文字になってしまう息子にはこんなことをしています。

ホームセンターや100円ショップで売っている数字や文字を袋の中にいれて、手探り(触探索)で何の数字や文字か当てさせるゲームです。

子どもと大人で交互にやってもよいですよね。

なぜ鏡文字になるかは、研究会や発達支援.COMでいつもお伝えしている内容です。

一つは正中軸、正中線が育っていないことが原因です。そこについては家庭ならバルンポリンが最適なアプローチですね。

そして、もう一つは頭の中で思い浮かべるという「象徴機能」がまだあやふやな育ちだということが言えます。

そこで、触探索の「この文字何だろうゲーム」が有効となると思ったからです。

このように学校へ行かなくても家庭で取り組めるものが山ほどあります。

それは、あなたが発達を勉強しているから思い付くのでしょ!というご意見もあるかと思います。

私たち宇佐川研の力が及ぶこと!として、ここにフォーカスを当てて行動を起こしていきます。

今、学校へ行けない、療育施設へ行けないという保護者の悩みや課題に対して、オンラインで解決策を提供していきたいと思っています。

そして、今こちらの文章を読まれている方で、私たちに共感してくださる方がいれば一緒に解決へ向けて歩んでいきましょう。

まずは、みなさんの悩みを送っていただきたく思います。

コロナウイルスが落ち着くまでは、オンラインでの研究会の開催やオンラインを使って発達のお悩みの改善を提案していく準備をしていきます。

小さな研究会にできることはたかがしれています。

でも、何もしないよりはマシ!といつも思っています。

そして、研究会の数人が頑張っても何も変わりませんので、ぜひ、このような辛い時だからこそ、力を合わせて子どもたちに「今できること」を一緒に取り組んでいただけたら幸いです。

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管理者プロフィール

研究会の代表をしています、臨床発達心理士の植竹です。

宇佐川研(発達障害臨床研究会)は、平成2年より始まり、淑徳大学の故・宇佐川浩教授をスーパーバイザーとしてお招きして始まりました。「感覚と運動の高次化理論」を基に、臨床にこだわって行っている研究会です。

実践研(発達療育実践研究会)は、平成18年より始まり、療育塾ドリームタイムの木村順OTをスーパーバイザーとして始まりました。発達支援を行う際に必要な様々な発達理論を学び、実践を支える知識と技術を高める研究会です。

その、宇佐川研に14年、実践研に12年間学ぶ中で、第28期(平成29年度)より木村会長より代表を引き継ぎました。

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