コンビニおむすびをうまくあけられないご相談

コンビニおむすびのテープをうまく開けられない小学生のご相談をいただきました(つづきは本文で)。

昨日は、発達支援オンラインサロン内の月例のお茶会(座談会)の日でした。

外出制限されている中ですが、全国の仲間が子どもたちを寝かせた後に、ほっと一息つきながら最近の出来事を気兼ねなく話し合えるのは、心の落ち着きを取り戻せる瞬間でもあります。

感染症感染予防のため外出できない中で、どのように家庭で過ごされているのかや、家庭内でどんな運動をお子さんとされているのかなど、報告し合いました。

宇佐川研スーパーバイザーの川上先生が監修されているこちらの「10分間体幹トレーニング」(http://www.gakken.jp/human-care/jsk/dl/download_202004.html)
をお子さんとされているというご報告もありました。

親子でできそうなところをやるだけでもよい運動になりますね。

そして、お茶会の最後に作業療法士の木村順先生も加わりお話合いをしました。

九州の保護者の方より、小学生のお子さんがコンビニおむすびのテープがうまく開けらないのだけれど、どうやったらうまく開けられるようになりますか?というご質問をいただきました。

とても身近なことで、なるほど!と思うご質問です。

コンビニおむすびがうまく開けられない


右手に力を入れようとすると、左手も力が一緒に入ってしまう。

また、「左手はやさしく持つんだよ」と言うと、右手も力が抜けてしまいテープを引っ張りにくくなってしまうなど、細かく様子を教えていただきました。

さぁ、みなさんならどのようなアドバイスをしますか?


私より、「バナナの皮はむけますか?」

という質問をさせていただいたところ、「はい、バナナはむけます」
ということでした。


もちろん、この質問にも意図があります。何を知るために(評価するため)質問したのだと思いますか?


そうです、手の発達段階を知るためですね。

お子さんが目の前にいるわけでもありませんので、お母さんのお話からお子さんの現状の様子を具体的に知るための質問です。

おむすびのテープを引っ張るのは難しいけれど、バナナのかわはむける。


ここで確認したのは、手の5本の指の育ち具合です。


指の育ちとして、小指と薬指は固定をするための機能を果たします。

資料1 手の2つの機能

そして、この機能が育つ先に人差し指と親指が細かい操作などをするような機能を果たしていけるわけです。

おむすびのように、ふんわりと握るような持ち方はギューッと握ることよりも難しく、さらに反対の手は難しい操作をしないといけないわけです。

また、両手が同じ動きをしてしまうというところでいうと、まだ左右の機能が分かれていないという状態(連合反応が見られる)ともいえます。


ということは、正中線、正中軸というのもまだ育ち切れていないということも読み取れる情報ですね。


木村先生からは、右手の操作は左脳が司り、左手の操作は右脳が司ることになります。それぞれの脳からの指令がそれぞれ手で分かれて使える必要がありますね。

「きっと、姿勢も崩れやすくないですか?」と質問すると、

お母さんより、「おっしゃる通りです。学校でもすぐに姿勢が崩れてしまいます」との回答でした。


お子さんに一度も会っていませんし、動画を見たわけではありませんが、仮設の通りでしたので、木村順先生からは次のアドバイスを伝えていました。

おむすびを上手に開けるための発達3ステップ

コンビニおむすびを上手に開けられるようになるには、3ステップくらいでやっていかないといけないです。


➀左右の手の操作が分かるために
 ここでは、正中軸を育てて行く視点が必要です。

家庭でもやれることとして、ここは定番となってしまいますが、はい「バルンポリン」です。

研究会にもご参加いただいているお母さんですので、すでに3か月ほど取り組みはじめてくださっていました。

そのかいあり、おむすびはまだ難しいけれど、そのほかの点では改善されてきていることが多々あることも伺いました。

今のところお子さんが自由に跳んでいるくらいなので、さらに力を伸ばすための作戦を今後立てていきましょうとなりました。


バルンポリンも、ねらいや育てたい力により、軽く10パターン以上は使い方があります。私たち大人向けであれば、腰痛を改善しながら体幹の筋緊張を高める跳び方などもあるくらいですので。


②手の中の機能を高めるために
 手の機能を高めるために、小指側の固定するための機能と、人差し指側の操作をするための機能を高めていきたいですね。

そのために、本当は「ブランコ」乗りをしたいところです。ただ外出制限がされている中なので、今はバルンポリンだけでも良いかないうところです。


➂手のボディイメージの向上
 手のボディイメージは言葉で書くのは簡単ですが、獲得していくためには地道な支援が必要です。

どの指を触れられているのか分かることや、さらには、指の小さな面積に対して注意を向け、さらに触れ分けるような力が必要となります。

具体的にはタッチングと呼んでいる、触れられている部位に注意を向ける活動や、指の先に小さい図形を指で書いてあげて、目隠しで当てる活動などがあります。

木村先生の著書「遊んでいるうちに手先が器用になる!発達障害の子の指遊び・手遊び・腕遊び」
amzn.to/2zj2iFU
に詳しく書かれていますので、こちらも参考にされてくださいね。


おむすびのご相談のように、直接お子さんに会えないからと言って支援ができないわけではありません。


今は新型コロナウィルスの影響で実際にお子さんと会えないことは多いかもしれません。でも、なんでもかんでもコロナウィルスのせいにはしたくないと思っています。


どんな時もしっかりと学び、力を蓄えていけば、これまでの方法が使えなくなったとしても、新しい手段や方法で支援はできるものと信じています。 


それこそが、変化の激しい時代に求められる「適応力」です。


うまくいかないことを乗り越えて子どもたちも頑張ってくれています。

子どもたちが外へも出られず、困っている今だからこそ、大人は、子どもたちが元気に外へ出られるようになった時の準備をしたいものです。

数か月の困難を喜びに変えていけるような楽しく、そして成長を後押しできるような活動を提供できる時間に一緒にしていきましょう。

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管理者プロフィール

研究会の代表をしています、臨床発達心理士の植竹です。

宇佐川研(発達障害臨床研究会)は、平成2年より始まり、淑徳大学の故・宇佐川浩教授をスーパーバイザーとしてお招きして始まりました。「感覚と運動の高次化理論」を基に、臨床にこだわって行っている研究会です。

実践研(発達療育実践研究会)は、平成18年より始まり、療育塾ドリームタイムの木村順OTをスーパーバイザーとして始まりました。発達支援を行う際に必要な様々な発達理論を学び、実践を支える知識と技術を高める研究会です。

その、宇佐川研に14年、実践研に12年間学ぶ中で、第28期(平成29年度)より木村会長より代表を引き継ぎました。

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