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基礎感覚
支援のいろは
先輩ママ・支援者コラム
運動が好きな子どもを育てるには~気になる行動の理解と支援より~
『運動が好きな子どもを育てるには』実践研1月度より
~気になる行動の理解と支援より~
運動が好きな子どもを育てると聞くと、いかに運動の方法を改善するかという発想になりがちです。
もちろん、運動方法の改善や検討は必要です。
本日の講師の綿引先生は、体育の先生として大切なこととして、
「子どもたちの内面世界がどうなっているのか?」
ということをまず知る努力が支援者側に必要であることを話されました。
そして、そもそも運動指導には、非常に指導者側のあいまいな言語指示が多いということを事例と共に示してくださいました。
身体意識がまだまだ育ちきれていない子どもたちに対して、不明瞭な指示は身体感覚として伝わりません。
子どもたちが、今なにを求められている活動なのか、実感を伴う指導になっているのかなど、指導者側の改善すべき点を示していきました。
また、「行動」するということを、「行動が成立するメカニズム」を論理的に示し、行動するための必然性を考えることの大切さをご講義くださいました。
ほめるということが大切とされがちですが、ほめられないと行動できないのも自立した生活になりません。
そこで、「ほめる」と「勇気づける」ことの違い。
「勇気づけから自信を育てる」視点を示してくださいました。
また、体育の先生は、そもそも運動が得意な方が多いです。
運動が苦手なお子さんの背景を知らないまま指導をすることの危険性をお伝えされました。
その際に発達的視点は必須のものとなります。
基礎感覚(触覚、平衡感覚、固有覚)のつまずきからの行動特性。
本当はやりたい気持ちはあるのに、思い通りに表出できない気持ち。
また、自分なりに頑張って表出しているのに、受け止めてもらえなかった喪失感。
運動を好きになるために、一人一人のお子さんの理解があって、運動スキルだけではなく、自分の努力がどのくらい成果に結びついたのかを実感できる指導。
さらに、仲間に受け入れられている受容感が運動を好きにさせる視点を忘れてはいけません。
「アダプテッド・スポーツ」の発想から、ルールに子どもたちをはめ込むことから、子どもたちにルールや用具を合わせていくような発想をもちえる柔軟な発想も大切であることもお伝えくださいました。
支援者側の一方的なゴールではなく、子どもたちが描くゴールこそ大切にして欲しいとお伝えくださいました。
ついつい、指導者側の承認欲求が出てしまいがちな面が運動指導にはあります。
しかしながら、主人公は子どもたちです。
「運動を通して、子どもたち自身が楽しめることが何より大切です」
と締めくくってくださいました。
今回はライブ配信も行いました。
一人一人が自分の歩幅で楽しめる運動指導をご覧になってくださった方、参加された方が広げていってくださることを願っております。
実践研事務局
植竹
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