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『近代ボバース概念による正常発達分析-脳性まひの治療示唆』

実践研で毎年講師を務めてくださっている理学療法士の金子断行先生の新刊が先月発売になりました。

すでにお手に取られている方も多いと思います。

今回、本の表紙を見た瞬間に興奮してしまう文字がございます。

金子先生の著書というだけでも、待っていました❣となるのですが、監修がなんと紀伊克昌先生と書かれていたからです。

理学療法士の先生、特に小児分野でご活躍されている先生であれば、きっと私以上に大興奮かと思います。

紀伊先生といえば、脳性まひ児の治療概念・技術である「ボバースアプローチ」を日本に導入された先生です。

また、日本にとどまらずアジア諸国における脳性まひをはじめとする障害をもつこどもへの理解と支援技術の発展に大きく寄与されてきている先生でもあります。

金子先生より、研究会の中で時々「愛護的ハンドリング(Considerate politely handling)」という用語を耳にします。

研究会の中では、情緒や精神安定を与えるように赤ちゃんを抱っこする際の説明として「海洋波リズム(ホワイトオーシャンウェーブ)」による抱き方を思い出される方も多いかと思います。

この海洋波リズムを生み出す抱っこに、愛護的ハンドリングの概念がふんだんに盛り込まれています。

脳に振動を与えることなく、しっかりと全身を安定させて、子宮内の快適環境を経験させる抱っこ。

詳しくは、書籍をご覧いただきたいと思いますが、研究会で教わってきた内容がそのまま一冊の本になったといえます。

この愛護的ハンドリングという用語は、紀伊先生とロンドンボバースセンターの二代目の所長であったジェニファー・ブライスさんとOTのマーレーさんの三人で何度も討議しながら生まれた言葉だと聞いています。

その源流となる考えを紀伊先生から直接受け継ぎ、金子先生が丁寧に実践理論をまとめられた一冊です。

脳性まひの治療概念としてはもちろんのこと、正常発達概論から始まり、胎児期の発達、新生児期から12ヶ月までの各段階ごとの正常発達分析、そして発達を促す治療テクニックまでつまった内容で、保育士や助産師さんなど小児に関わる幅広いニーズに応える内容です。

宇佐川研の中でも金子先生から教わった様々な概念を支援に活かしています。

例えば、バルンポリンにはコアスタビリティの考えも土台の一つとなっています。

また、宇佐川研の動画分析にも本書の視点を取りれることで大きく臨床を深めることにつながっています。

赤ちゃんの指しゃぶりの意味(三叉神経への充足)を深めたり、ハイハイの手の付く位置から読み解く手の発達(長い手の育成)。など、数え切れない大切な視点が盛り込まれています。

近年、抱きづらい赤ちゃん、ハイハイをほとんどせずにつかまり立ちに移行し、でも転倒が多い赤ちゃんなど、普通保育の視点だけでは通用しない事例を数多く研究会に寄せられています。

正常発達の視点と、また治療に及ぶ視点を合わせて学ぶことができるバイブルとなる一冊です。

イラストや写真も多く、非常に読みやすくわかりやすく、そして臨床にすぐ活かせる内容ばかりです。

ぜひ手にとっていただきたい一冊です。

「書籍はこちらから↓」

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