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現代の子どもに足りない4つの「不」

目次

『現代の子どもたちに大切なのに失われていること』

昨晩、9月の実践研の講師の進化論や猿の研究を長年されてこられた菊間馨先生とzoomで2時間講座の打ち合わせをしました。

打ち合わせでありながら、非常に内容が濃いものとなりましたので、その一部をシェアさせていただきたいと思います。

自然が育てる力

菊間先生はここ数年、広島県の自然体験アドバイザーとして幼稚園や保育所のお子さんを森や川など自然豊かな環境にガイドして、自然遊びを教えていらっしゃいます。

菊間先生が子どもたちを自然体験に連れて行った後に感じる変化があるそうです。

いくつもあるので書ききれませんが、代表的なこととして判断力と責任感が高まることが多いそうです。

なぜなのか分析していったところ、例えば木登り一つをとってみても、どの枝からなら登れるのか?この木の枝は踏んだら折れるか大丈夫か?この枝を登ったら降りられるのか?など、リアルだからこそリスクと自分の身体能力と比べながら挑戦していること。

子ども自身からやり出す遊びなため、その子にとっての発達欲求を満たしていくこと。本来の子どもが育つ姿であると語られていました。

やらされるものでも、一方的に提供されるものでもなく、自らの興味関心から関わり、自然という壮大な力の前では、自分都合ではなく相手の都合(自然)に合わせる力がグングン育っていくと。

教えられたことは残らないけれど、自ら見つけた体験はずっと心に残ります。

センス・オブ・ワンダー

特に幼児期で大切にしてほしいのが、「感じる体験」です。感覚統合の世界でも同じことが言えるのですが、自然遊びを通して身体の実感を得ることは自分について学ぶことにつながります。

感覚を通して学ぶ体験は自分とつながる作業とも言えます。

人間も自然の一部なんだ!と感じる体験があることで、この後、小学校等で学ぶ教育内容が理屈ではなく身体を通した実感としての理解につながると言います。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない

これは、レイチェル=カーソンの言葉す。

カーソンは、「センスオブワンダー」という本の中で、

「子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、様々な情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。

幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、驚嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。

そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。

と述べています。

今こそ必要な4つの「不」

人類は確かに進化しました。いえ、ここ100年を見ると、文化や道具の進歩は目覚ましいものがあります。その文化的な進歩に人間がついていけていないのではないかと菊間先生は語られています。

それは、現代(先進国)が4つの「不」を失ってしまったからではないかと考えます。

子どもが育つために必要な4つの「不」とは「不足」「不便」「不快」「不潔」です。

不足しているからこそ、工夫をしたり大切に使おうとします。

不便だからこそ能力を高めようとします。

不快だからこそ耐える力が育ちます。

不潔とは自然の中はアルコールで消毒されたような世界ではないため、現代から見ると不潔と映ります。でも様々な細菌が私たちの身を実は守っていたりもするのです。

ジャングルジムでは育たない力が木登りでは育ちます。

自分で判断できる子どもを育てるためにも、バーチャルに全てを奪われないように、大人がリアル(自然体験)を守ろうとする行動が今必要だと考えます。

今、子ども達にぜひとも、リアル(自然体験)だから得られる「感じる体験」を大切にして欲しいと思います。

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