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自立活動の考え方
目次
学びの土台をつくる「自立活動」
4月に入り、研究会のLINEに自立活動についての質問を複数いただいております。
きっと、個別の指導計画の提出などがあり、自立活動が大切なことは分かるけれども、どのように指導計画を作ったら良いのか分からなくて困っている方が多いのかと思います。
自立活動の計画が難しい理由
自立活動の学習指導要領には、指導すべき視点を6区分27項目(今回の改訂により1項目の追加と内容の記述の変更などがあります)で示されています。
学習指導要領の記述を読むと、そのお子さんに対して、「必要な内容を選択して組み合わせて指導していってくださいね」と示されています。
「自立活動の6区分27項目を全て指導しなさいというわけではないですよ。お子さんに合わせて、特にその子にとり重要な指導内容を設定してくださいね」と書かれています。
「適切に指導内容を選択してください」と、さらっと記述されていますが、これは適切に子どもたちの実態を読み解く力がないと難しいのです。
実態理解と発達のつながり
自立活動の指導が難しいことの理由として、そもそもお子さんの実態を適切に読み取れていないことが大きな要因だと感じています。
実態が分からないから、どの内容を選択すべきなのかも分からないとなります。
また、もう一つ難しい要員として、「発達のつながり」が分からないからということも大きい要因です。
例えば、読み書きするためには、読み書きができるようになるための、発達的な課題があるわけです。
まずは、見る力、見分ける力は思いつくと思います。
見る力の土台になっていることとして、頚部(首)の安定、体幹の安定が必要です。体幹、首がグラグラしていたら、安定して見続けることができませんよね。
さらに見る、見分けるためには、「眼球運動」が必要です。目玉が動かなければ文字を読むことも困難なことになります。
眼球運動を支えるのは、平衡感覚の働きが必要になります。前庭-動眼系という神経経路のつながりが適切にはたらいている必要があります。
他にも読み書きには必要な発達課題がありますが、このような発達のつながりが分からないと、自立活動の各項目をただ単に断片的に選択するだけの指導となってしまいます。
学習指導要領は分量が多いので、教員でもしっかり読み込んでいる方は少ないのかもしれません。
ただ、教員にとりこの学習指導要領を基本として指導していますので、読み込むことは必須のこととなります。
学習の基礎をつくる自立活動
そして、特に自立活動の学習指導要領はよく読むと、学べることが多くあります。言葉を選んで本当に丁寧に書かれていますので、教員ではなくても一度は目を通してほしいと思います。
自立活動の指導の考え方について、もう少し詳しく過去に記述していますので、併せて以下のものもお読みください。
☆参考資料☆
「子どもが育つ土づくり。自立活動の指導とは」(7年前の執筆のため指導要領改定前の内容です)
https://www.manabinoba.com/tsurezure/19465.html
自立活動の学習指導要領を読まれたことが無い方はこちらから読めますので、ご確認ください。
「学習指導要領解説 自立活動編」
https://bit.ly/2UCeiMo
このほかにも、新学習指導要領について詳しく解説してくださっている学校があります。このようなページも参考にされてください。
「新学習指導要領について 福山支援学校ホームページより」
http://www.fukuyama-sh.hiroshima-c.ed.jp/…/jiri…/jiritu2.pdf
さらに、新学習指導要領の改訂のポイントや自立活動の考え方について、文科省の特別支援教育の調査官である分藤先生が直接解説してくださっていますので、参考にされてください。分藤先生はもともと自立活動の先生でもありましたので、改訂への「想い」もひしひし伝わってきます。
「資料版」
https://www.nits.go.jp/materials/youryou/files/004_001.pdf
「動画版」
https://youtu.be/jHMqkCvLHZY
自立活動は支援学校だけの指導ではありません。すべての学校において必要な部分を取り入れる必要があります。学校関係者にとり、知らないではすみませんので、少しずつ理解を深めていただきたく思います。
実態把握の視点は4月27日の香川、29日の山口の宇佐川研でもお話しますので、ぜひご参加ください。
宇佐川研 代表
植竹
教育つれづれ日誌はこちらから↓
https://www.manabinoba.com/tsurezure/19465.html
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