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今すぐできる! ネコ先生のおしゃべりズボラ授業〜発達障害児の家庭学習〜

こんにちは。寒いですね~。
こんな季節は一日中こたつでグータラしていたい・・・。
そんなズボラ主婦、会社員・ホニャララと申します。

今日は「家庭でできる!発達障害児の学習方法」をご紹介します。

息子が小2の7歳の頃から始め、現在までかれこれ2年以上続いています。けっこう効果があるわりに楽しく続けられているので、よかったら参考にしてみてください。

ポイントは『ズボラでもできる!』。コレです。
あれこれ療育グッズを買ったり手作りしていた時期もありますが、作るのはめんどうくさい、買っても買った教材を棚から出してくるのがめんどうくさい(買ったことを忘れている)など、なかなか私には使いこなすのが難しいなあと思っていました。

でも、今回紹介する方法はすべて口頭で行いますので、物(教材)はいりません。言語って便利ですね。

小2のころの息子は、簡単なやりとりなら言葉でできるけれど、まだまだ言葉のイメージに広がりがないという発達段階でした。

例えば「2+3=5」は理解できても、「箱の中にリンゴが2つあって、その後3つ増えたらいくつになる?」と聞いてもわかっていない状態でした。「増える」という言葉の意味がよくわかっていなかったのだと思います。

「そんなこともわからないの!?」と思いましたが、そんなこともわからないのが、発達障害児育児の厳しいところです。たぶんシベリアの冬よりも厳しいです(しらんけど)。

自然には覚えない、でも教えてやればわかるのです。
一生こたつと同化していたいと願うズボラには荷が重いと思いながらも、愛するこたつから這い出て、頑張って家庭学習を始める決心をしました。

目次

1  遊びの中に取り入れる

 ほとんどの子供が、机に座ってやるお勉強は嫌だと思います。うちの子もです。やらせる方もうんざりしてしまいますよね。

うちではごっこ遊びの中で、学習の機会を設けていました。
息子はぬいぐるみが好きだったので、猫のぬいぐるみを先生役、たくさんあるすみっこぐらしのぬいぐるみたちを生徒役に見立てて、授業ごっこをやっていました。

授業なので、国語や算数の時間があります。そこで言葉や数の概念を教えていました。

2 頻度、場所、時間帯は?

ダイエットで考えるとわかりやすいのですが、1か月に一回走っただけでは痩せないですよね。効果をだそうと思ったらこつこつと継続することが大事です。

頻度はできれば毎日、難しければ週3~4日くらいでもよいと思います。とにかく続けることが大切です!

場所も結構大事だなと思っています。
うちでは就寝前にベッドの上で行っていました。リビングだと物が多すぎて視覚的にも聴覚的にもノイズ(邪魔)が多すぎます。学習に集中してもらうためには、薄暗くて物の少ない、静かな寝室はぴったりでした。

また、寝る前に必ず行うことで学習がルーチン化されたのもよかったです。息子は毎晩ベッドに上がると「授業しますよ~」と自分からぬいぐるみを並べていました。

お風呂の時なんかも良いかもしれません。お風呂は毎日入るので。毎日必ず行う事とセットで学習をすると習慣になりやすいです。

3 学習内容~どんなことを教えてあげればよいの?~

学習内容ですが、冒頭でもお伝えしてように、発達障害児は言葉や物事の意味や概念を理解するのが苦手なので、そのあたりの理解がすすむような問題を常に考えていました。

①ネコ先生の授業~国語編~

国語の授業では言葉の世界を豊かにするために、しりとり、古今東西、マジカルバナナなどやっていましたが、一番メインでよく行っていたのが「仲間外れはどれ?」という問題です。

ネコ先生が「ジャガイモ、玉ねぎ、りんご、仲間外れはどれかな?」と生徒たちに問いかけます。
すると生徒のすみっコぐらしたちが「りんご!」と答えます。「どうしてリンゴが仲間外れなの?」と聞いて「ジャガイモと玉ねぎは野菜だけど、リンゴが果物だから」と答えられたらベストです。

最初はとにかくスモールステップで!

初めはルールの理解も難しいです。
授業が嫌になってしまわないためにも、エラーレスかつスモールステップで行きます。初めは問いかけの後にこちらが答えもすべて言ってあげるのがポイントです。

ネコ先生「じゃがいも、玉ねぎ、りんご、仲間はずれはどれかな?・・・りんご」
生徒たち「りんご」
ネコ先生「正解!じゃあ、どうしてリンゴが仲間外れなの?・・・ジャガイモと玉ねぎは野菜だけど、リンゴは果物だから」
生徒たち「ジャガイモと玉ねぎは野菜だけど、リンゴは果物だから」
ネコ先生「正解!すごいね!よくできました」

こんな感じでやっていました。
様々なカテゴリーを知る学習にもなりますし、言われたものを頭の中に思い浮かべる練習にもなります。

なにより物事の共通点や相違点を見つけることは、学校でのお勉強の基礎になってきます。
「えんぴつ、スプーン、はさみ、仲間外れはどれ?」
「帽子、たいこ、ピアノ、仲間外れはどれ?」
「かき氷、ストーブ、風鈴、仲間外れはどれ?」
など、問題は無限に作れます。息子はこの方法で哺乳類、両生類、爬虫類も覚えました。

(果物、動物、文房具など、基本的なカテゴリを理解したうえでやった方が良い学習かなと思います。カテゴリの概念がまだイマイチな子は「野菜の仲間、たくさん言ってみて」「犬、ネコ、うさぎは何の仲間でしょう」というような問題をやって、カテゴリを知るところからやってみてください)

できるようになってきたら、難易度をアップ!

またちょっと難しい「にわとり、カラス、白鳥、仲間外れはどれ?」というような問題もわかるようになると良いですね。

ちなみにみなさんは、この問題の答えわかりますか?
正解は「カラス。カラスだけ黒いから」ですが、実はもう一つ「ニワトリ。ニワトリだけ飛ばないから」という答えもあります。

一つの問題に対して、答えが二つあるんですね。発達障害児はパターン的な思考が強いので、このような問題を通して物事をあらゆる方向から見る癖をつける、思考が柔軟になる効果を狙います。

子供なりに、いろいろ考えている

問題を出していると、出す側としてはつい正解かどうか、という点が気になってしまいますが、間違っていたとしても子供が「ああでもないこうでもない」と頭をひねって考えていること、それ自体がものすごい脳トレになっていると思います。

また、子供の思いもよらない回答があって面白いです。
小2の頃の息子に「丸、三角、四角、仲間外れはどれ?」という問題を出してみました。私は正解は丸で、丸だけ角がないという答えを想定していたのですが、息子の答えは「丸だよ。丸はコロコロ転がるけど、三角と四角はパタンパタンって動くよ」というもので、子供ならではの発想になるほど!と、感心しました。

思いがけない単語を知っていたり、珍回答があったり、日々発見があるのも家庭学習の醍醐味です。

さらに慣れてきたら、子供に先生の役をやってもらい、問題を作ってもらうのも楽しいですね。

②ネコ先生の授業~算数編~

算数では、ごく簡単な文章題をやっていました。不思議なもので、机に座ってプリントの問題を解くときよりもよく集中していて正解率が高かったです。

「コンビニにアイスを15個買いに行きましたが、8個しかありませんでした。あと何個あれば良かったですか?」「息子君と妹ちゃんとお父さんとお母さんでケーキを買いに行きました。一人3個ケーキを買ったら、全部でいくつになりますか?」

このような問題を出していました。レベルはお子さんに合わせてくださいね。日常生活でありそうな問題の方がイメージしやすいようでした。

小学校以降のお子さんでしたら、答えだけでなく何算で解いたのか、式はどうなるのかも言ってもらいましょう。こちらも無理せず、初めは「あと何個あれば~は、引き算だね。だから、15-8=7だね」と教えてあげてください。

4 気を付けること

私はズボラ主婦なので教材は使わなかったと言いましたが、それは息子が教材を使わなくても口頭である程度やりとりができる段階だったから、という理由もあります。

ちなみにうちの息子は今日紹介した学習方法を始めたとき、「じゃがいも、玉ねぎ、リンゴ」くらいの単語数ならそれらを具体的にイメージし、しばらくの間頭の中で保持することができました。それくらいの発達段階の子供なら絵カードなしの口頭でもできますが、難しい場合は必ず絵カード等視覚的な補助が必要です。

でも、絵カードは作るのもめんどう、作ったものを整理して保管して、必要な時に出してくるのもめんどうですよね・・・。その場合は小さなホワイトボードを準備して、絵を描いてやるのでも良いかもしれませんね。

5 焦らず無理せずコツコツが大事!1日1問でもよし!

うちの場合は授業ごっこという形で行っていますが、単純に「クイズ出すよ~」と軽い感じでやるのでも良いと思います。

初めはつい難しすぎる問題を出してしまい子供を泣かせたり、あまりの子供の理解力の無さに絶望的になったりしますが(すべて実体験です(^-^;)、超簡単な問題からスモールステップでやっていきましょう。1日1問でも十分です。

とにかく継続が大切です。
1年やったら365問、2年やったら700問以上やったことになります。
それだけの数やれば、お子さんの学習能力は格段に上がっているはずです。

6 専門家に頼むと高額、でも家庭でやれば0円!

専門の塾やセラピストに学習をお願いするととても高いですが、家庭でやれば無料です!

毎晩息子に問題を出すのはめんどうですが、
「いやいや、これを専門家に頼むと10分間で少なくても1000円くらいはかかるだろう。私がやることで出費を抑えているんだ。それはもう私がこの10分間で1000円稼いでるようなものだろう・・・!」
と考えると頑張れます(笑)。

家庭で学習をしているなんて言うと「とても頑張り屋のお母さんですね」とたまにほめて頂くことがありますが、私はズボラ主婦であるのと同時にケチケチ主婦でもあるのです。

みなさんも出ていくはずだったお金を貯めて、たまには美味しいものを食べたり、好きなものを買ったり、リフレッシュしてくださいね。

7 最後に

さいごになりましたが、一番大切なのはやはりコツコツ続けることかなと思います。

あと、「ネコ先生の授業」をやっていて思うのは、知識を身に着けるうんぬんよりも、こうして親子で寝る前に遊ぶことそれ自体が、私にとっても息子にとっても豊かな体験になっているということです。

息子が大人になった時に、楽しかった思い出として「ネコ先生の授業」を思い出してくれたら良いなあと、思います。ズボラ主婦もこたつと涙の別れをした甲斐があるというものです。みなさんにとっても、家庭学習が親子の良い思い出になることを願っています。

それでは、無理のない範囲で、親子で楽しみながら、家庭学習をやってみてくださいね。

参考になればうれしいです。

夜な夜な授業を行うネコ先生と、その生徒たち

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