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発達につまずきのある子の子育て、支援に必要な「眼」

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見えていそうで見えてない

発達につまずきのある子の支援に初めて携わった時、子どもたちの何に注目していったらよいのか分からないことばかりじゃないですか?

突然ですが、次の写真を見てください。実は文字が隠れています。読み取る視点や方法を知っている方は1秒とかからず読めますが、この視点をもっていないと何分経っても読めないなんてことがあります。私は読めるまで5分かかりました。

画像1:読めますか?

私が初めて支援の現場(肢体不自由養護学校)で担当したお子さんは、てんかん発作がある子でした。その子が発作に入る3秒前に、クラスの友達が「Aくん発作」と教えてくれるのです。そして3秒後に手を突っ張らせる発作に入るAくん。私よりも必ず子どもたちの方が先にAくんの発作の前兆を教えてくれるのです。

「どうしてわかるの?」と子どもたちに質問すると、みんな「付き合い長いからねぇ」と何となくわかるというのです。きっと前兆となる何かしぐさがあるのだと思いますが、どんなしぐさなのか分からない私には分からずじまいで6か月のお付き合いが終わってしまいました。

読み解く視点

発達につまずきのある子の支援や子育てをしていく際、正常発達の知識をたとえもっていたとしても、支援の手がかりが読み取れないことが多々ありえるのです。

先ほどの写真です。どうですか読めましたか?

画像2:読めましたか?

まだ読めないという方にヒントです。線を2本引いてみてください。

どうですか?文字が浮かび上がってきましたか?

画像3:ヒント画像

どうですか?だいぶ読めるようになった方が増えたのではないでしょうか?正解は?

画像4:LIFE

「LIFE」が正解でした。黒い部分ばかりを見ていたら変な記号に見えてくるしで、イライラした方もいらしたかもしれません。

ではもう一度、今度はどうですか?

画像5

どうでしょうか?今度は白い文字が浮かび上がるように読めたのではないでしょうか?

このように、一度読み取る視点や考え方を知ってしまえば、一瞬で分かりますよね。発達支援においても同じようなことがよく起きています。

読み取りレンズの「高次化理論」

子どもたちはいつも私たちに発信しているメッセージがあるのにも関わらず、その読み取る視点をもっていないばかりに、昔の私のように何度も同じような場面に遭遇しても、一向に支援のきっかけすらつかめないなんてことがあります。

宇佐川研は淑徳大学の宇佐川浩教授の「感覚と運動の高次化理論」を使い発達支援をしています。高次化理論の土台には、「感覚統合」と「認知発達」の理論があります。

子どもたちの動き、しぐさには意味がある

例えば、感覚統合の知識と視点があれば、「よく頭を左右に振っているお子さん」は平衡感覚(前庭感覚)の中の三半規管に刺激を入れている姿と読み取れます。平衡感覚の反応性が低いので自分で不足している感覚情報を補おうとしているとも言えます。

また、このような姿を示す子は、三半規管と眼球との神経や筋肉のつながりも弱いと捉えられるため、眼球運動に苦手さがあり、見ること自体が苦手と読み取れます。

「頭を振っている」という動作、この動作に発達的価値、発達的視点をもっていなければ注目することの無い些細な動作で終わってしまうと思います。

でも、ここに正常発達の教科書には上がってこないような行動やしぐさが発達につまずきのある子の理解や支援には非常に大切なのです。

だからこそ、高次化理論に示されている発達につまずきのある子が本来の輝きを示すために必要な読み解く視点を改めて学ぶ必要があるのです。

高次化理論を通して、一度読み解く視点を身に着けてしまえば、「LIFE」の文字のように、二度目からは瞬時に子どもたちが発信しているSOSや伸び行く芽を見つけることができていきます。

そのために必要な「子どもたちを捉える眼」を宇佐川研で一緒に養って参りましょう。

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