春だ! 新年度だ! 安心・安全の種まきをしよう

春休みに入り、ぽかぽか陽気に誘われて、ぷらぷらお散歩も気持ちいいですね。
スーパーに並ぶ サクラ柄のパッケージの商品に、心が弾みます!
10歳ASD男児の母 田中ピラフです。

棒で色んな所を叩いて、触覚や固有覚にアプローチ。いろんな感覚遊びも発見できそう!

悶々としがちな春

毎年 この時期は、先生方の異動、クラス替えなど、親子でドキドキ。
新学年の準備も、どこまでやっても やり足りない気がする…。

でも実際、新学期が始まってみないと分からないことって 多いですよね。
“息抜き” “ 自分へのごほうび” “現実逃避タイム”etc…
とても重要だと思います!(自分に言い聞かせてます)

そんな余裕をみせる私も、小学校入学時は、これからお世話になる学校の見学、支援クラスの先生と面談、放デイの見学と契約、サポートブック等の作成…、
初めての学校生活で分からないながらも決めなければいけないことが山積みで、忙しさと不安で一気に痩せ 体調不良になりました。

そんな息子も、この春 小学5年生。
衝動性が強い私は、早合点や失敗をたくさんやらかし、その度、先生やドクター、先輩ママや親の会、最近では 宇佐川研の先生方や 実践家の皆さんに助言や励ましをいただき、試行錯誤ながらも 最近は楽しく過ごすことができています。

色々な方にアドバイスをいただくなかで、悶々としがちな春を『種まき』と考えられるようになったツールがあるので、今日はそのことについて書いてみようと思います。

ごほうびタイムで、リラックス&リフレッシュ

Newこども情報を シェアしよう

入学時、サポートブックを作成された方もいらっしゃると思います。
<サポートブックとは…新しい支援者の方に予め知っておいていただきたい情報を保護者がまとめる、主に入学時に制作する冊子のことです。>

日々、成長し続ける子ども達。
好きなキャラクター、今ハマっていること、最近 出来るようになったこと…。
その姿は 1年で大きく変わります。

息子は、バルンポリン等のアプローチをはじめて 1年半。聴覚防衛反応が軽減したことで、学校でイヤーマフを必要とすることがなくなり、覚醒が上がったことで学習態度にも変化が表れているようでした。
 
発達段階が上がったことで出てきた “本来のやんちゃなキャラクター”。
先生に対して、おちょくりや 試し行動が出てきて、毎日の連絡帳でも成長を喜んでくださりながらも、「先生、ちょっと最近 手を焼いてませんか?」と、気になるところがありました。
 
また、「連絡帳」「通知表」「個別の教育支援計画(フェイスシート)(教育シート)」「個別の指導計画」をみて、“もうちょっとこうするといいのにな…”と気付くこともあり、我が家で成功していることを補足的にお伝えするのも有効かもしれないと思いました。

Newこども情報を、先生方に知っていただき、4月から少しでもスムーズに学校生活がスタートできるよう、サポートブックをぎゅっと凝縮させたような『こども新聞』として渡してみてはいかがでしょうか?

【先生へ】こども新聞

まず、どんな情報があると、子どもが安心して学校で過ごすことができ、
先生方も息子と関係を作りやすくなるのか?
自分なりに整理してみました。

まとめる際には、
・A4 2~3枚程度
(1枚目:プロフィールシート 2枚目以降:関わり支援シート)
・簡潔に分かりやすく
・項目ごとにまとめる(対応に関する項目が多い時は 1枚の表にまとめる) 
・本人の気持ちを大事に

対応に戸惑われた時に すぐ見返すことができるように作成することを意識しました。
 

◇ 1枚目 プロフィールシート ◇
昨年度は、 本人へのインタビュー形式にして、先生へ伝えてもいい内容かを確認しながら作成しました。また、「担任の先生には、自分で渡したい!」と言ったので、プロフィールシートは、ポジティブな内容、イラストや写真を入れ 本人が見て分かるように作成しました。

配布:校長先生、教頭先生、支援学級の先生、交流学級の先生、教科の先生、
   保健室の先生、放課後等デイサービスの先生など

項目内容・ねらい
名前  写真を付ける
趣味・特技会話やコミュニケーションのきっかけに
好きなキャラクター会話やコミュニケーションのきっかけに
好きな食べ物苦手な給食。あったらうれしいラッキーメニュー
ヤル気上げポイント家庭で成功している・効果があった関わり方
左から、4年 3年 2年。「自分で渡す」と言った4年は、写真を増やしよりポジティブな内容に   


◇ 2枚目~ 関わり支援シート ◇
昨年度は、直接ご指導いただく機会がある先生方に、プロフィールシートに追加して渡すことにしました。

配布:支援学級の先生方、交流学級の先生、教科担任の先生、保健室の先生、
   放課後等デイサービスの先生など(直接ご指導いただく機会がある先生)

項目ねらい
情報の伝え方
・手順やスケジュールについて(行事時の持込み)
・声かけの注意点
聴覚防衛反応
と対応法
・苦手な音を具体的に(拡声器・ハウリング…)
・大きな声での注意は、パニックになること
・家庭で成功している対応法
・持込み中の支援グッズについて(使用のタイミング)
こだわり
自己刺激行動
・回答に×がつくのを嫌がる
 →×をつけず、書き直すように伝えて欲しい
・遅延エコラリア、独り言
 →おしゃべりしてはいけないときの対応案
保護者から保護者が考える今年度の目標「学校が楽しくなること」
学校でのトラブル、気になる点、アドバイス等あれば、
いつでも連絡いただき、連携・協力を図りたい。
項目が多い時は、 1枚の表にまとめ、必要な時すぐに確認していただけるようにしてもいいかも

◇こども新聞の渡し方◇

注意したいのは、新聞の渡し方です。

・ノリノリで一緒に作成…「自分で渡したい」と言うかも?
・ 恥ずかしがり屋さんタイプ…「お母さんから渡して」と言うかも?
・思春期、先生に苦手意識…封筒に入れ、本人に分からないように渡す

本人のキャラクターや 現在の心境などを踏まえ、渡し方や記載する内容を考える必要があるかと思います。

【こどもへ】安心・安全ブック

見通しがないと不安になりやすい息子。
毎年、息子へも 学校や先生のNew情報を 伝えるようにしています。

◇ ・・年度 先生紹介ブック ◇

(内容)
・支援学級・交流学級 担任の先生
・支援学級の先生(受け持ちの児童名)
・教室の場所
・靴箱の場所  など


その際、先生の趣味や特技。
昨年は、息子が 特撮ヒーローにハマっていたので、お好きなヒーローがいらっしゃるかもおたずねし、“共通の興味・関心がある先生探し”(種まき)もしてみました。

この“先生へのアンケート”は 結構オススメで、休み時間に同じ特撮好きの先生がいらっしゃる教室に行って盛り上がったり、映画鑑賞が趣味の先生の所へ行き、
「〇〇先生! ぼく今度〇〇見に行きます!」と報告に行ったすることがありました。
お友達との会話のやり取りがまだ上手ではない息子も、話したいことを汲み取ってくださる先生方には 安心して話せるようで、先生とのコミュニケーションに一役買っているようでした。

特段、本にまとめることはしなくても、 紙に書き出したり、会話の端々にちょろっと先生情報を入れてみることで、登校が少し楽しみになるスパイスになればいいなと思っています。

ダイソーのホワイトブック 写真や紙を貼ることで、簡単に本が出来るのでオススメです!
先生紹介ブックを作る為のアンケート 仮面ライダー電王がとても人気でした。笑

また、息子は 今でこそバルンポリンのおかげで和らぎましたが、とても聴覚防衛反応がひどかったので、
・拡声器  ・ハウリング ・運動会のピストル 
・選挙カー ・改造車の音 ・出所が分からない大きな音 など
パニックになったり、耳塞ぎをしたり、とても辛いことが多かったようでした。

そんな息子にとって、“先生が怒る時の大きな声”というのは、学校内で「原始系」に入る最大のトリガー。自分とは関係なくても、その声が聞こえるだけで、先生に泣きながら文句を言ったり、先生をピストルで撃つマネをすることもありました。

でも、学校という場において、先生が怒る時の大きな声が0になることはないと思います。息子にも “なぜ、先生は大きな声で指導する時があるのか?” “そんな時は、自分はどうしたらいいのか?” 説明が必要だと思いました。 

担任の先生に「こんな本を作りました。家庭ではこのように息子に教えたいと思っていますが、大丈夫でしょうか?」と家庭で考えた対応方法を相談しました。

私が考えた対応案を提案し、先生の考えを聞き 共通の認識ができたことで、

先生が他児を注意する際、
・“今から〇〇について注意します”と、先に伝える
・“これは〇〇君のことではありません。”と、先に伝える
・息子と距離をとって注意する
・ジェスチャーや、紙に書いて注意する
・大きな声で注意されている先生から離れるように誘導 など
いろいろな工夫をしてくださるようになりました。

クイズ形式。問題「先生は、子どもたちを守ってくれますか?」
先生が大きな声を出す理由。また、ずっと怒っている状態が続くことはないと予告しておく。
本人の対応法。先生と共有しておくことで、誘導してくださったこともありました。

あくまでも「種まき」と考えよう

これから1年間、息子が 学校や先生方を『安心・安全な居場所』と思い、少しでも穏やかに過ごすことができるように まとめた「こども新聞」「安心・安全ブック」。たくさんの思いを詰めたものですが、これは息子と家族の思いで、全てしていただけるものではないと思っています。

実際、1人で複数の児童を見ている先生からすると、出来ること、出来ないこと、クラスメイトの特性、先生の経験を踏まえたお考え…色々あるかと思います。

私もこれまで、我が子に必要だと思いお願いしたことが いくつかありましたが、
「取り入れるのは難しいですね…」と言われたことが数回あります。

以前 パパママ教室に通っていた時の講師の先生が、学校という集団活動がメインとなるところでは『我が子にもOK! みんなにもOK! であることが大事』といつも言われていました。この言葉は、学校や支援だけに限らず、人間同士のお付き合いの中でとても大事なことだなと思っています。
先生方と息子の支援についてお話するとき、『我が子にはOK! でも他の児童にはどうだろう? 他の児童にはNGだった場合、他に代替案はあるのだろうか?』と考えるようになり、そのように先生に相談するようにしました。

こども新聞を“要望書”として提出すると、先生も保護者も行き詰って辛くなってしまうかもしれません。

①我が子の 安心・安全な環境作りのためのお役立ち情報として提出(種まき)
② 自分の考えを伝え、先生の考えを聞き、しっかり話をする(肥料)
③子ども達にとって過ごしやすい環境を一緒に作っていく(土壌作り)
④子どものペースで成長(芽が出て、いつか花開く)

「子どもと先生」だけでなく「先生と保護者」の関係を作る“種まき”となっていけばいいなと思います。

田中ピラフ

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管理者プロフィール

研究会の代表をしています、臨床発達心理士の植竹です。

宇佐川研(発達障害臨床研究会)は、平成2年より始まり、淑徳大学の故・宇佐川浩教授をスーパーバイザーとしてお招きして始まりました。「感覚と運動の高次化理論」を基に、臨床にこだわって行っている研究会です。

実践研(発達療育実践研究会)は、平成18年より始まり、療育塾ドリームタイムの木村順OTをスーパーバイザーとして始まりました。発達支援を行う際に必要な様々な発達理論を学び、実践を支える知識と技術を高める研究会です。

その、宇佐川研に14年、実践研に12年間学ぶ中で、第28期(平成29年度)より木村会長より代表を引き継ぎました。

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