学習アプローチの前に身体づくりが大切な理由

こんにちは。りっきーです。

前回までのコラムでは、「触覚」「平衡感覚」「固有覚」の3つの基礎感覚について、息子のエピソードを交えながらお話をさせてもらいました。

今日は発達障害の特性があるお子さまをお持ちの保護者の方がよく悩まれる「学習面」の課題について、発達の順序性に触れながらお話をしたいと思います。

発達の順序性を正しく理解しよう

自閉症スペクトラムやADHDの特性があると、じっとすることが難しく椅子に座って学習が難しいケースがよく見受けられるかと思います。

この課題に対して、発達の順序性を知らずに支援をしようとするのはとても危険です。

なぜかというと、表面上だけ見ていると、「学習」という目的を達成するために「じっとするために〇分間座ることを何度も繰り返し、できたらご褒美を与える」「鉛筆が持てるように補助具をつけて持ち方を矯正する」といったアプローチを最初からとってしまう可能性があるからです。

もちろん、このアプローチ自体が悪いと言っているわけではありません。

「座ることを習慣化する」「鉛筆を正しく持つ」という課題がクリアできる発達段階より前の段階に発達の積み残しがあるにもかかわらず、それを無視してステップを飛ばしてしまうことに危険があるのです。

発達というのは必ず順序があり、前の段階の課題がクリアできて初めて次の課題がスムーズにできるようになります。

たとえば、鉛筆を握ることができる手になるには大まかに言って次のようなステップがあります。(専門家ではないのでざっくりとですがご了承ください)

手のひら全体で握りこむ→5指全部を使ってつかむ→親指・人差し指・中指の3指でつかめる→薬指と小指が支える機能を果たすようになる→鉛筆が正しく持てる

発達のピラミッドとは

発達はピラミッドに例えられることもあります。

土台が安定していない状態では、たとえその上の段を積むことはできてもグラグラして崩れやすくなります。

鉛筆を正しく持てない子どもに対して、鉛筆を握る練習をするのではなく、今その子がどのような発達課題に向き合っているかをよく観察し、「薬指と小指がまだ支える役割を果たしていないな」ということであれば、一つ前の段階に戻り、3本指でつまむことのできる教材やおもちゃを使って遊んでみるのも一つの方法です。

我が家ではモンテッソーリ教育の考えを取り入れており、発泡スチロールブロックにネジをどんどん埋め込んでいく活動や、ピンセットを使ってビーズをあけ移す活動、また、料理のお手伝いとして枝豆をサヤから出すなど、とにかく3本指を思う存分使うことを意識して過ごしました。

ここで大切なのは、子どもが楽しく没頭できる活動を提供することです。

最終目的は「鉛筆を持てること」でも「鉛筆を持つ練習」をするのは子どもにとって楽しくはありませんよね。
そこに至るまでに必要となってくる運動機能を読み取って、1つステップを戻って遊びながらできる活動をたくさん用意してあげることが遠回りなようで一番の近道です。

我が家の息子は3本指の活動を日常的に取り入れたことで、今までグー握りだったお箸が持てるようになり、その後、鉛筆も補助具なしで持てるようになりました。

まだまだ課題はあるものの随分と持つときの無駄な力も抜けてきています。

本当に大切なこと

私も一母親なので、周りの子と比べてしまって焦る気持ちはとてもとてもよくわかります。

でも、発達の順序性を宇佐川研や書籍で学んでからは、焦る気持ちよりも「今この子がどんな発達段階にいて、今大切なことは何か」と考えられるようになってきました!

知っていることと知らないことの間には大きな差があります。ぜひ正しい知識を持って、お子さんの育ちを見守ってあげてください。

私もまだまだ勉強中なので、皆さんと一緒に知識を深めていきたいと思っています。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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管理者プロフィール

研究会の代表をしています、臨床発達心理士の植竹です。

宇佐川研(発達障害臨床研究会)は、平成2年より始まり、淑徳大学の故・宇佐川浩教授をスーパーバイザーとしてお招きして始まりました。「感覚と運動の高次化理論」を基に、臨床にこだわって行っている研究会です。

実践研(発達療育実践研究会)は、平成18年より始まり、療育塾ドリームタイムの木村順OTをスーパーバイザーとして始まりました。発達支援を行う際に必要な様々な発達理論を学び、実践を支える知識と技術を高める研究会です。

その、宇佐川研に14年、実践研に12年間学ぶ中で、第28期(平成29年度)より木村会長より代表を引き継ぎました。

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