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先輩ママ・支援者コラム

先輩ママの実践コラム

発達っ子の成長を感じる「ものさし」づくり

2022年も 残りわずかとなりましたね。
急に寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

昨年は、サンタさんへの手紙を書き直すこと十数回。
“予算はいくらですか?”
“何日までに手紙を書けばいいですか?”
サンタクロース(父)と、メールのやり取りを繰り返した息子。

今年は、昨年サンタさんから言われた予算を踏まえ、たくさんある欲しいものの中から優先順位を考える日々。
クリスマス、お年玉、子どもの日、誕生日、来年のクリスマスまで、しっかり割り振って考えることができるようになっていました。(そんなにあるんかい!笑)

クリスマス前から 各地で発令された大雪警報に、
「九州だから早く来るかも!!」
と、23日からワクワク。

桜前線のように、サンタ前線をサンタクロースが北上するイメージなんでしょうね 小6 発達障がい児の母 田中ピラフです。 

目次

まわりの子がまぶしく見えた幼少期

そんな息子は、25週6日 854gで生まれた、超低出生体重児。
生まれてすぐNICU(新生児集中治療管理室)のお世話になり、自宅で一緒に暮らすようになるまで4ヶ月かかりました。

主治医の先生からは、
「小学校に上がるまで、他の子ども達より ゆっくり成長すると思っていてくださいね。」
と、言われました。

しかし、ゆっくりだけではない。
明らかに周りの子と違う行動をする息子。

目も合わず、手も繋げない。
児童館でお集りの音楽がはじまると、高速ハイハイで部屋から脱走。

和気あいあいと楽しそうにおしゃべりしているママ達の中、あいさつもそぞろに、手に触れるものなんでも口に入れる息子の横で、おもちゃを取り上げたり お手拭きで拭いて返し、「すみません…」と言いながらついて回る母。

「今日も、元気いっぱいだね!」
「うちもちょっと前までそんな感じだったよ~。」
と、優しくフォローしてくれるママ友の言葉も、

「本当は落ち着きがないって思ってるんでしょ?」
と、ひねくれて考えてしまうようになっていました。

出生した病院の先生や、療育の先生に話をすると、
「まわりの子と比べないで。成長はそれぞれ。少し前のS君(息子)と比べてね。」
とアドバイスを受ける。その時は納得できるのですが、まわりの子が眩しく見えるのは変わりなくて、また卑屈な考えに逆戻り。そんな風に思う自分もイヤで、児童館からは足が遠のきました。

頭が良くなってほしい、スポーツ万能に育って欲しい…そんなことよりも、ただただ集団に混ざっても浮かないようになって欲しい。
その頃の私には、我が子の成長だけに焦点を当ててみることは、難しいことでした。

しかし、たくさんの支援者の方や、同じ悩みを持つママ達と出会い、また宇佐川研などで発達について学ぶようになり、息子一人に焦点を当てて成長をみる『ものさし』となるものを たくさん教えていただきました。
 
今日はその中から、自分で試してみてよかったと思う『ものさし』について書いてみようと思います。

『ものさし』いろいろ

1 昔の写真や動画を見返す

今まで撮った写真や動画は、子どもの成長の歴史。
見返すだけでも、大きく成長を感じます。

・園や学校のイベント(運動会、音楽会 など)
・遊び(公園、プール、なわとび など)
・おもちゃ(ブロック、ゲーム、お絵かき など)

年少の運動会は、会場の外に逃げようとして先生から追いかけられる映像が何回も写っていましたが、年中になると、泣きながらも その場にとどまっていられるようになっていました。

イベントが苦手なことは変わらないのですが、その中でも成長を見つけることができました。

2. 発達版 タイムカプセル

以前 参加していたパパ・ママ教室で、
「我が子について日頃思っていることを、なんでもいいから10個カードに書きだしてみよう!」
というワークがありました。

自分が気になっている順番にカードを並べかえ、その順位をカードに書いておく。
それを、タイムカプセルのようにしまっておき、1年程経過した年度末に振り返ってみて感想を言い合おうという取り組みがありました。

“ここ心配なんだよな…“”これ好きだよね…”と、思いながら書きだす作業は、日々生活に追われている中で、見落としていたり 当たり前になってしまっている部分が くっきりと浮かび上がってくるようで、改めて
“こんなところが、かわいいと思っているんだよな。”
“私が日頃モヤモヤして困っているところは、結局ココなんだよね。”
と、スッキリした気持ちになったのを覚えています。

ただ、その時の私は、今の現状を紙に書いただけで、それを踏まえて何か行動にうつすことはなく、(便秘は病院で相談しているし、聴覚過敏にはイヤーマフ持参して、他のことも特性だから仕方ないよね、と思っていた。)数日後にはすっかり忘れていました。

そして約1年後。
2年生のはじめに書いたカードを、2年生の終わりに見直すと、自分の中での順位が大きく変わっていることに気が付きました。

そこには、子ども自身の成長や学習面でのつまずきがはっきりしてきたこと。周りの環境が変わったことや、担任の先生と私の連携や協力関係がうまくいかなくなったことによる歪みが出てきて、このままではいけないと次の行動に移すきっかけにもなりました。

【発達版 タイムカプセル やり方】
①紙10枚と鉛筆を用意する(白紙の紙、付箋… なんでもOK)
②子どもについて思っていることを10個書いてみる
 ・性格について
 ・好きな遊びやグッズ
 ・いいところ
 ・困っていること
 ・心配なこと など
③気になる順にならべて、番号を振り、何が気になっているのか考えてみる。
④引き出しなどにしまっておき、1年後にカードを見返してみる。
 A.気になる順番を並べ替え
 B.新規に10枚書いて比較

【A.並び替え】

気になっている順番に並べ替えしてみる。
子どもの成長や変化、また自分の中での心境の変化を感じることができました。

小2はじめ

【カードより】
・1人で好きなおもちゃに没頭していることが多かった
・プリントに✖が付くのを嫌がるので、間違えた時は消しゴムで消したところを書き直す
・1年生の時は、学校はさほど嫌がらずに通えていた
・先生の理解と連携のおかげで、本人の困り感はそこまで強く出てなかった

【母の捉え方】
・お友達が泣くと一緒に泣く、遅延性エコラリアなど、周りから見て目立つ特性の方を心配していた
小2おわり


【カードより】
・授業が難しくなり、分からないところが増え、学習に苦手意識が出てきた
・担任の先生との連携がうまくいかなくなり、学校での環境調整もうまくいかず、本人の困り感がどんどん露呈してきた
・苦手な活動も他児と同じ内容で参加せねばならず、気持ちの不安定さが目立つようになった

【母の捉え方の変化】
・本人の興味関心ごとより、本人の困り感の対応についての悩みが増えた

【B.新規】

新しく10枚カードを書いてみる。
成長してなくなったこと、また 新しく出てた心配事、自分が学んだことや支援者の方からのアドバイスによって、行動の捉え方も大きく変わっていました。(例:小5)

小5 10月
【カードより】
・本人のキャラクターの変化
(おちゃらけキャラ)
(“まぁいっか”とは思えない)
(ルールを守ることで安心する)
(はみ出してしまう事を過状に心配する)
・話し言葉が増え、会話ができるようになる
・興味関心の幅の広がり
・楽しみ方のバリエーションが増えた。

【母の捉え方の変化】
・本人の得意なことにも目が向くようになる
・肯定的に捉えられるようになってきた

3年前に書いたものと 比べてみると、書きだした内容が全然変わっていることに驚きました。

好きな遊びは、同じシーンを何回も見たり お気に入りのセリフを繰り返す遅延性エコラリアから、 Youtubeで見たものを作ったり、楽しそうにチャレンジするYoutuberを見て、自分も同じことをしてみたいと言うことが増えています。映像からの影響が大きいことは変わらないのですが、遊び方が大きく変わっていることに気付きました。

また、小2の時に書きだしたものは、好きなものや 心配なことがメインですが、今は 息子の良い所・強みなども 10個の中にランクインしていました。


そこには、宇佐川研で 基礎感覚のつまずきについて学び、観察の視点や行動の捉え方が変わったことと、いざとなったら相談できる場所や人がいることで、前向きに物事を捉えられるようになったことも大きいように思いました。

【C.応用編/☆基礎感覚など】

もうちょっと具体的に深堀りしてみようという方。
詳しく書いておくと、より変化がみられるかもしれません。

また、宇佐川研のケーススタディなどで相談する場合にも、過去から変化した部分を記入することで、より深い考察ができるようになるのでオススメです。

下の表に書いてあることについては、宇佐川研のスーパーバイザーの先生方の著書やコラム、宇佐川研公式Twitter、発達支援.com内でも、検索すると捉え方や改善のためのヒントが書いてあります。

  例
☆触覚・身だしなみ(散髪・爪切り・耳掃除・歯みがき…)
・身につけるもの(帽子・マスク・手袋・素材…)
手つなぎ、ボディタッチ(嫌がる、過剰)、
抱きづらい赤ちゃん
・爪噛み、なんでも口に入れる…
・自分や他人を 叩く、噛む…
痛みに鈍い
・触れないものや、ずっと触っているもの など
☆平衡感覚・姿勢(割り座
眼球運動(本の読み飛ばし、板書…)
・乗り物や公園の動く遊具(怖がったり、過剰にやりたがる) など
☆固有覚・物にぶつかりやすい
・よくこぼす
・力加減(パックの飲み物をぎゅっと持つ、肩をトントンして人を呼ぶときに痛い…)
聴覚・苦手な音(サイレン、スピーカー音、掃除機、体育館、泣き声…)
・耳塞ぎ、イヤーマフ等の活用 など
視覚ジグソーパズル、直線カットのパズル
周辺視、中心視
細部知覚、全体知覚
ボディイメージ・ダンス、まねっこ遊びの様子
・物にぶつかりやすい
・よくこける
・鉄棒、なわとび、シャングルジム、ターザンロープ… など
生活動作・食事(箸の種類、箸の持ち方、反対の手で茶碗を持つ?…)
・着替え(立位で着脱できる?、ボタン、ホック…)
・トイレ(おまる、小便器、和式、洋式、自分で拭ける?…)
・お風呂(洗髪、身体洗い、身体を拭く…) など
イベント・練習期間の様子
・本番の様子
・〇〇を拒否した
・〇〇したら参加できた など
学習面
・鏡文字になってしまう
・漢字が苦手
書字が苦手
・数の概念  など
コミュニケーション・人の話を最後まで聞かない 
話を聞いていない など
好きなこと・好きな遊び(完成したブロック、お絵かき、折り紙…)
・好きなおもちゃ、遊び方(一人で、一緒に、違う遊び方を提案すると嫌がる…)
・好きな番組
・好きなキャラクター など

子どもの世界を知りたい気持ち

子どもの成長を感じるには、子どもが今どんな世界で生きているのかを知ることも大切だと思います。

宇佐川研のセミナーに参加した時も、“見え方の違い“についての疑似体験がありました。
また、感覚過敏や苦手だった活動の話など、当事者の方のお話を聞くと、
「こんな世界で頑張ってたんだ…。」
と、自分が想像するよりはるかに厳しい環境の中でがんばっていることに驚き反省しました。

それなのに、しばらくすると忘れてしまう。

荒れる息子を見て、ハッと思い直すのですが、自分にはない感覚を常に意識しておくことは、案外難しいことだと思いました。

ここ数年、立ち戻って考えるきっかけとなっているのが、宇佐川研のケーススタディや、発達支援ドットコム(宇佐川研のオンラインサロン)です。

色々なケースを通して、本人の辛さを資料や動画から学ばせていただいたり、スーパーバイザーの先生方から動きの中から読み取れることの解説を聞くこと、また参加者の方から経験談や見解を聞くことで、子ども達のがんばりをより一層感じることができるようになりました。

疑似体験をしても、当事者の方の話を聞いても、息子が感じている感覚とは違うかもしれません。

ただ、自分の感じている世界とは違う感覚の中で生きている人がたくさんいること。
人によっては耐えられずパニックになってしまうような厳しい環境の中、成長していく子ども達の姿。

成長を感じる「ものさし」は、子育てのモチベーションアップだけではなく、子どものがんばりをもっと理解するためにも、ぜひ続けていきたいと思います。

田中ピラフ



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