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『パターン弁別、対応弁別が育てるコミュニケーション力』

目次

『パターン弁別、対応弁別』

形の弁別の学習の型はめパズル。写真左のパターン弁別段階と写真右の対応弁別段階では、難易度が大きく違います。

左は、はめ板を持ってから考える段階であり、まだ自己中心的な段階。右は、枠を見て、はめ板を取る前に答えを決めないといけなく、相手の要求に折り合いをつけやすくなる段階。

パターン段階は予定の変更などにパニックを起こしやすかったりしますが、対応弁別段階になると、相手の要求の意図を汲み取りやすくなってくるので、予定変更などに対しても急激にパニックなどは減り、応じやすくなります。

その代わりに、対応弁別段階になると、見分ける力が高まるため、人の違いも分かるようになり、人に対してのからかいや、相手を試すような行動が増えやすくなります。

型はめの使い方一つでも、高められる力が違います。

「たかが型はめ、されど型はめ」 宇佐川浩先生がよく語られていた言葉です。

パターン弁別段階は横に広げる支援

パターン弁別段階のお子さんは、名称の通りパターンとして繰り返して身に着けた行動は落ち着いて過ごせます。

パターンから外れた行動は見通しがないので、不安となりパニックなどを起こす要因となりえます。

この段階は焦らず、1つのパターンにほんの少し新しい活動を入れてみるなどして、パターンを広げたり、パターンを増やす横に広げる支援が大切。

1パターンしかないのは不自由ですが、100パターンあれば、かなり適応できますから。

次の対応弁別段階へ行くには、視覚認知の向上が必要。特に眼球運動に課題がないかチェックを。

目が動かしづらいということは、見比べる眼の使い方が身に付きづらくなります。

目を動かしている間に、「あれ?なんだったっけ?」と視覚性の記憶が忘れ去られてしまいます。 そのくらい、眼球が動かしづらいというのは、見て覚えることにめちゃくちゃ負荷がかかることなのです。

眼球運動が苦手だからといって、追視やサッケードといったような、「見なさい!」といった「ほら、見てー!!!」といった指導は逆効果。

そもそも、目を動かしづらいということは、土台となっている平衡感覚機能(前庭ー動眼神経系)のつながりが弱いと考えらます。

動眼神経をはたらきやすくするために、跳ぶ・揺れる・回る平衡感覚系の遊びをふんだんにしてから、目を動かす活動をして欲しいと思います。

一つの指標として、回転いすなどで2秒1回転の速度で10回転した際に、眼振(前庭動眼反射)が何秒でるかを測定。

この際に眼振0秒や2秒ほどで止まってしまうくらいですと、平衡感覚の反応性が低いと解釈されますので、見る活動よりも、平衡感覚系の運動遊びで楽しみながら見るための機能を育てるべき段階だと言えます。

※回転系は強い刺激なので無理せずに。また20秒以上眼振が止まらない子や、回転自体を怖がる子は過反応タイプとなり、車酔いしやすいなど、揺れることに苦手さが強い子なのでさらに慎重に取り組む必要があります。

パターン弁別段階のお子さんは、まだまだ視覚性の記憶は苦手さがありますので、具体物を触れる経験の補助が有効です。 触覚のサポートも入れながら、形態が頭の中に思い浮かべやすくなるような支援が丁寧にしていってあげてくださいね。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • パターン弁別から対応弁別に移行していくためにどんな力が必要か、どんな支援が必要かについて、これまで部分的な知識はあってもうまくまとまっていなかったところが、すごくわかりやすくまとまっていました。朝から「なるほど〜!」とスッキリさせていただきました。ありがとうございました!

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