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発達凸凹な我が子が愛おしくなる宇佐川研ケーススタディ

新年度が始まり、2ヶ月経ちましたね。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

息子も、いよいよ小学6年生。
楽しかったゴールデンウィークの余韻に浸る暇もなく、息子の通う小学校では、運動会の練習が始まりました。

先日、登校しながら、
「今日は、いい天気だね!」というと、
「おおーい、雲よ! 2時間目の前に雨を降らせておくれー!!」
と、空に向かって叫んでいました。(2時間目の前とか、ピンポイント過ぎる! 笑)

昨年度まで、連絡帳のコメント最後に書いてくださる顔文字が (^-^) だったのが、今年度 (^-^;) と笑顔の横に汗が見られるようになり、学校でも本来のキャラクター やんちゃさを発揮しているな…と感じています (^-^;) 。
小6 発達障がい児の母 田中ピラフです。

目次

東京宇佐川研でケーススタディをお願いしました

2022年度2月度東京宇佐川研。
1年ぶり2度目のケーススタディをお願いしました。
2021年1月に、はじめてのケーススタディの際にいただいたアドバイスを元に、この1年間に取り組んだ内容と息子の変化、また新しく出てきた気になる事について、スーパーバイザーの先生方や、参加者の皆さんからアドバイスをいただき、たいへん学びの多い時間となりました。

オンラインの相棒たち…癒しのパンダ・覚醒アップのスクイーズ・目に優しい和色蛍光ペン

ケーススタディとは?

ケーススタディ…日本語に訳すと、『事例研究』というそうです。
医療や看護、ビジネス用語として用いられることが多く、“聞き覚えがある単語だな”という方もいらっしゃると思います。

私は地元の会場で開催された宇佐川研で、始めてケーススタディに参加したのですが、在胎中・出生時~現在までの詳細な情報、また寝返りやハイハイなどの短い動画を見ただけで、今の困り感に繋がる芽のようなものを読み取られる 宇佐川研スーパーバイザー 植竹先生のお話にとても驚き、
「早く家に帰って、小さい時どうだったか動画を確認したい…。」
と思ったのを、今でも覚えています。

現在、東京宇佐川研はオンラインでの開催となっています。
しかも、今年度のケーススタディは、宇佐川研のスーパーバイザーの思考過程を徹底解説することで、初心者でも着実にステップアップしていけるように、内容も大きく変わるようで、今からとても楽しみです。
【詳しくは…東京 宇佐川研(発達障害臨床研究会)6月度開催のお知らせ】

当日、始まる前の様子

東京宇佐川研は、少し早めの18時30分スタート!!
ケース発表者は、少し早めの18時頃に入室し、木村先生と軽く打ち合わせをします。

木村先生は、お仕事終わり、すぐに打ち合わせに入られるようで、腹ごしらえをしながら…。
植竹先生は、お仕事終わり、急いで来られるのでしょう、上着を脱いでそのままパソコン前に座られる位、ギリギリの到着。(ご飯ちゃんと食べたのかな…?と、心配になります。)

数日前から食欲もなくなる位、とても緊張していたのですが、(我が家では、ケースダイエットと呼んでました。笑)
いざはじまってみると、宇佐川研や発達支援ドットコム(宇佐川研のオンラインサロン)などセミナーで一緒になる方や、息子の学校の先生、リハビリの先生、相談支援事業所の方、保育所等訪問支援の方、以前お世話になっていた先生、全国の熱心な学校の先生や支援者の方、保護者の方など、壁を大きくとっぱらった『超 贅沢なケース会議』のような感じで、参加者の方のそれぞれの分野からの専門的なアドバイスや温かいメッセージをいただける、とてもありがたく幸せな時間となりました。

今回のテーマと主訴

今回、私がテーマとして掲げたのが、
『息子の言動についての捉え方と関わり方について』

主訴
①言動の捉え方と関わり方について
②本人のつまずきどころ、伸ばしどころについて
③将来(進学・就労)を見据え、どのような支援をしていくとよいか?

東京宇佐川研のケーススタディは、ケース発表者が なぜこの「テーマ」にしたのか。
「はじめに」「主訴」で、世の中にあるたくさんの言葉の中から、なぜその言葉をチョイスしたのか。
木村先生や植竹先生は、発表者の気持ちや想いをを汲み取り代弁されながら、本当に今悩んでいる事、聞きたい事を整理していかれます。
特に、保護者がケース発表の時は、家族間でも「考えすぎじゃない?」と言われて片づけられてモヤモヤするような胸の内を、スーパーバイザーの先生方が代弁してくださる場面があって、自分のケースでなくても涙が出そうになることがあります。

今回、スーパーバイザーの先生方や、ご参加いただいた方から、
・現在の基礎感覚のつまずきどころ
・この1年間で伸びたところ
・現在の成長段階
・本来のキャラクター(持ち味)
・伸びたゆえに出てきた課題
・これから出てくると予想される課題
・ネガティブな感情表現に込められた本人の思い
・プリント学習で理解が難しいときの対応
・就労までにつけておきたいスキル
・進学先の見極め方
・ソーシャルスキルを伸ばすには
・苦手な全体視知覚や眼球運動を伸ばすためにできる遊び
・好きなキャラクターを使った、細部視知覚を伸ばす遊び
・腹圧・コアコントールを育てる遊び
・足裏の整え方  など

書き始めるときりがないのですが、色々な視点からのアドバイスをいただきました。

ケース資料は、探偵(参加者)の手がかり

1回目のケース発表前、何度がケース発表をされたことがある支援者の方に、
「不要な部分があれば削りますので、ぜひ教えてください。」
と、お願いしたことがあります。きっと気になる部分はたくさんあったと思うのですが、その方は漢字の間違い、誤字脱字のチェックのみされて返却されました。

そこを訂正し、植竹先生に送ると、特に訂正はなく…。
いくつか別のことで連絡はきましたが、とくに資料は変更することなく、そのまま本番になりました。
 
ケース数日前、植竹先生から言われたのが、
「ケース資料を見る中で、お母様の特性というか持ち味も分かったので、ケースの時にお伝えしますね!!」

【ちょっと待ってー!! めちゃくちゃ怖いけど、めちゃくちゃ楽しみーー!!!!】←心の声。笑

当日言われた、私の特性(持ち味)は
・生真面目
・心配性
・継次処理型である
・細かいところはよく見えているが、大事なところが抜けていたりする
(地域の小学校?支援学校?支援クラス?学年は?全部抜けてました。笑)
・伝え漏れがないか気になってしまい、書かずにいられない。よって資料や動画が多くなる など
 
 
もう図星過ぎて、笑っちゃったのですが。
イニシャルで書くように言われているのに実名で書いているし、在籍中の学校(学級)のことは書いてない。ボディイメージは勘違いしているし、まとめているうちに全部大事な情報に思えて、ケース資料12枚、予備資料9枚、動画100本、全然まとめられず ひどいもんでした。笑

その時に思ったのは、とくに保護者の方のケース資料で先生方が見られているのは資料の出来栄えとかではなく、
・ケース対象者の情報
・ケース発表者の思い
・対象者や発表者の性格やキャラクター
・基礎感覚や発達についての理解度
・これまであった出来事に対して、どのように捉え行動してきたか
・家族の歴史 など

ケーススタディを柱として30年以上も学ばれてきた宇佐川研だからこそ見過ごせない、大事な手がかりが詰まっているのだと思いました。

ケースを出してみたいけど、資料をまとめられるか心配…という方は、とても多いと思います。
しかし、いろいろなケーススタディを見てこられたスーパーバイザーの先生方からすると、色々な情報が詰まった手がかり。
発表者の理解度に応じ、分かりやすい言葉で、対象になる子どもや発表者の持ち味やキャラクターを生かした、楽しく発達にアプローチできる遊びのアイデアを提案されます。

まだ勉強不足かなと思っても、その時の自分の精一杯をまとめられることで、自分に合ったアドバイスをいただけるように思います。

生育歴から見る成長の捉え方

生育歴のところで、息子が25週6日、854gで生まれたことによって、どのようなリスクが考えられるかについて話をされました。

・現在の医学では、在胎26週位でやっと救える命である 
・自発呼吸できない
・眼球運動にも問題が出やすい
・脳障害が出やすい(中度知的障害・脳性まひ)
・運が良かった、医学的処置が適切になされた など


その話をされているうちには、私もその頃のことを思い出し、
“母乳を搾乳・冷凍して毎日病院に持って行ってたな…。“
“でも母乳が出なくなって、息子の写真を見ながら搾乳するように言われたけどダメで、自分に出来ることがないって落ち込んだな…。“
“パルスオキシメータのアラーム音が辛くて、NICU(新生児集中治療室)の建物に入るのがすごく怖かったな…。”とか、
その時の感情が思い出されて、ちょっと苦しくなる瞬間もありました。

また、アドバイザーのN先生が言われた「キャッチアップの育児だったのでは?」という言葉。
自分もまったく意識したことがないところだったので、ハッとされられました。

・生きるか死ぬかの緊迫した出産・産後(自宅に帰るのに4ヶ月かかった)
・出産後早くに、これから起こるかもしれない重篤なリスクの話があったこと

どん底な気持ちからの育児スタートでしたが、
・フォローアップで毎月病院の診察があった
・早くから、リハビリ、療育等 専門家に繋がった
・現在の私の様子 など

ケース資料からの家族の歴史を見て、そんなことも分かるのかと驚きました。

また、療育歴では、児童発達支援 4つ、言語療育、感覚統合療育、ピアノ、水泳 などたくさんあるのですが、通い始めても、大きな声で叱責する先生や、偏食指導、活発な子が多くて耳塞ぎなどで、通えなくなってしまうことも多く、数ヶ月でやめたところもあるのですが、普通なら教育熱心なスパルタママとか、障がい受容できてない療育ショッピングママと思われそうなところも、

木村先生は、
「我が子に“良さそうなこと”は、我が身を削ってでも実行しよう!」という母の「愛情」と「母性の豊かさ」が滲み出ている履歴!

と言ってくださり、行った先々でいろいろな問題が起こり、どうしようもなくて次に動いていた辛さを分かってくださって、心が救われた気がしました。

生まれて6日後の息子 7本点滴が入っていました

家庭アプローチの時代へ

以前は、評判のよい療育に通っている。リハビリに通っている。
それだけで、息子のこだわりも減り、育児も楽になっていくと思っていました。

療育先で私が得たものは、
・視覚支援の重要性や、見通し、手順のやり方
・息子の特性に対する考え方
・パニックが起きた時の対応
・悩んだときに、話を聞いてくださる支援者との繋がり
・同じように育児で悩む保護者の方との出会い
とくに、支援者の方や保護者の方と話すことは、息抜きでもあり、支えでもありました。

しかし、希望する療育、希望する学校、有名な病院に通えても、ずっと通えるわけではなく、とても素晴らしい支援者と出会えても、ずっと担当でいてくださるとも限りませんでした。新しい担当になり、その先生と一から関係を築く。前任が偉大な方だったときには、ちょっと不満に思ったり、不安になってしまうこともありました。

小学校入学して、鉛筆や食事、配膳、離席、姿勢など多くの気になる点が出てきても、小児リハビリは卒業。このままでいいのかな…。息子の成長は、ここで頭打ちになるのかな?と心配になりました。

宇佐川研で学ぶようになり、その不安やストレスから解放されつつあります。
なぜなら、資格もない私にもやれることがあり、結果として息子の成長として表れてきているからです。

今回のケーススタディで、学校の担任の先生が参加してくださいました。その時に、
「Sくんの成長の素地には、家庭でのアプローチがあると思います。」
と、言われました。
その言葉はとてもうれしく、息子はまだまだ伸びると希望を持ちました。

このコロナ禍で、大きく発展したオンラインセミナー。
宇佐川研もそうですが、今まで実際に現地へ出向かないと受けれなかったセミナーが、家にいながら学べるようになりました。

宇佐川研や、発達支援ドットコム(オンラインサロン)は、まさにオーダーメイドの支援方法を、
“ここまで成長したからおしまい!”
などではなく、期限なく思う存分話を聞いて、応援してくださる場所だと思います。
 
“どこに通うか” → “誰と繋がり、いかに家庭で実践していくか“

専門の療育も大切。でも、家庭で我が子に思う存分一緒に楽しみながらできるホームワークは、親としての自尊心や喜びを分かち合える時間となっています。

時代が大きく変わってきているように感じます。発達凸凹の子育て、楽しみが広がります。

田中ピラフ

写真:大好きなストレッチマンの怪人カード。カルタ風にすることで、眼球運動などにアプローチ

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